盛岡タイムス Web News 2011年 5月 9日 (月)

       

■ 〈東日本大震災〉岩手高校将棋部も大槌に 子ども教室を開催

     
  子ども将棋教室の参加者で記念撮影  
 
子ども将棋教室の参加者で記念撮影
 
  被災地で過ごす子どもたちを励まそうと3日、大槌町で、子ども将棋教室(日本将棋連盟の主催)が開かれた。参加した子どもたちは、プロ棋士に将棋の手ほどきを受けたり、岩手中学・高校囲碁将棋部(盛岡市)の生徒たちと「どうぶつ将棋」で対戦したりして交流。楽しい時間を過ごした。
(馬場惠)

  会場となったのは、避難所の一つとなっている旧金沢小学校体育館。遠方から来る子どもたちのために巡回バスも運行し、町内の小学生13人とその家族らが集まった。講師として同連盟東北統括本部長の島朗九段、飯塚祐紀七段、鈴木環那女流初段が参加。同連盟釜石支部のメンバーや岩手中学・高校囲碁将棋部の中高生5人も駆け付けた。
     
  将棋盤を囲んで、プロ、アマ、子どもたちが交流  
 
将棋盤を囲んで、プロ、アマ、子どもたちが交流
 

体育館の一画に将棋盤を並べ、子どもたちがプロ棋士や高校生らと対局。「ぞう」や「ライオン」の駒で戦う「どうぶつ将棋」は初心者向けで、飲み込みの早い小学生が高校生を負かす場面もあった。

  高校生のお兄さんとたっぷり遊んだ大槌小2年の松田渓介君は「普通の将棋はやったことがあったけど、どうぶつ将棋は初めて。最後に勝てた」とうれしそう。母親の幸子さん(32)は「子どもたちが遊べる範囲も狭くなっている。こういう企画はありがたい」と感謝した。

  大槌北小3年の菊地綾乃さんは「楽しかった。けっこう難しかったけれど、相手がどんな手を打ってくるか計算できるようになれば強くなれると思う。またやりたい」と笑顔で話した。

     
  岩手高校の生徒と「どうぶつ将棋」で対戦する大槌町の子どもたち  
 
岩手高校の生徒と「どうぶつ将棋」で対戦する大槌町の子どもたち
 
  皆川泰亮・岩手高囲碁将棋部主将(3年)は「喜んでもらえてうれしい。来る前は、がれきが残っている中で、将棋で遊んでいいのか迷いもあったが、来て良かった」と充実した表情。 平賀太竣君(2年)は「初めは、どんなふうに声を掛ければいいか心配だった。でも、みんな明るい。大変な状況なのに偉いと思う。自分にできるボランティアがあれば、これからも参加したい」と話した。

  将棋教室は、岩手女子高の教諭らが被災地支援のために立ち上げたteam・R(チームリアス)の呼び掛けで実現。メンバーの赤塚謙一・同校教諭(47)が飯塚七段とメル友だったことが縁になった。会場準備や参加者の募集には、赤塚教諭と大学以来の友人の伊藤史顕大槌北小教諭(39)が奔走した。
     
  子どもたちに将棋の手ほどきをする飯塚祐紀七段(右)  
 
子どもたちに将棋の手ほどきをする飯塚祐紀七段(右)
 

  「皆さんの協力に涙が出てくる。子どもたちには元気に育ってもらいたい」と赤塚教諭。仙台市在住の島本部長は「被災地を身近に感じている。生活物資の補給などが最優先だとは思ったが、将棋が心の豊かさを取り戻すのに少しでも役立ってくれれば」と願った。


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