盛岡タイムス Web News 2011年 5月 10日 (火)

       

■ 〈東日本大震災〉二重ローン問題克服を 達増知事が国構想会議で提言へ

 達増知事は9日、被災企業の再建に障害となる二重債務について、中小企業を支援するための新制度を10日の国の復興構想会議で提案する考えを明らかにした。「復興全体がうまく行くかどうかということは、二重ローン問題を克服できるかどうかにかかっている」との認識を示し、新制度による国の支援を求めていく方針だ。

  9日の定例会見で述べたもので「二重ローン問題が非常に重要だと思っている、大河ドラマ的にいえば天王山。災害からの復興の中で局地戦のように見えるが、これがうまく解決できるかどうかで復興全体の帰趨(きすう)が左右される」と、極めて重視していることを示した。

  震災前に投資して整備した施設、設備が全壊などした場合、被災企業には借入金だけが残る。再建を期そうにも既存の借金を抱えたまま新たに借金して投資することには困難が予想される。

  だが、産業や雇用などからまちづくりを図る地域の復興に地元企業の再建は欠かせない重要要素。県では既存の中小企業等への融資制度の条件緩和や返済期間の繰り延べなどにより被災企業を支援している。

  しかし、再建支援には十分ではなく、達増知事は「新たな制度を設けなければならないと、あすの復興構想会議で提案しようと思っている。提案内容の最終調整の段階だが、基本的には国に対してかなりのお金の面倒を見てもらわなければならない仕組みになる。数字的なことは国と調整、相談しながら決めていくことになる」と述べ、基金も念頭に新制度の創設を提案する見通しだ。

  達増知事は経済活動の低調、自粛ムードのある中で迎えた県内の大型連休を振り返り「さまざまなイベントが行われた。毎年のイベントもあり、震災関連で被災者支援、復興支援のイベントも行われた。被災者支援、復興というテーマで普段街に出てこないような人にも街に出てきてもらう、県外から県内に普段来ないような人にも来てもらう、普段来る人にもさらに熱心に来てもらうような交流を増すような企画をもっと工夫していくといい」と、仕掛けの必要性を実感した。

  海外の多方面からの支援の動きと結びつけ「われわれが被災者支援、復興に一生懸命打ち込みながら、そこに開かれた復興、大勢の人、世界中の人を巻き込んでいくような形ができれば、結果として県内経済に大きなプラスになる」と指摘。

  平泉の文化遺産がイコモスから世界遺産登録に向け登録の勧告が出たことから「平泉と観光の話もそういう文脈の中に位置付けて、平泉を今訪れることは観光、世界遺産の地を訪れるということだけでなく被災者支援、復興支援にもなるという位置付けで日本中の人たち、世界中の人たちにどんどん来てもらう働きかけが必要だ」との見解を示した。 

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