盛岡タイムス Web News 2011年 5月 17日 (火)

       

■ 〈イタリアンチロルの昼下がり〉122 及川彩子 ヴェネチアから日本へ

     
   
     
  東日本大震災から約2カ月、ここアジアゴ高原も真っ青に輝く季節。街を歩くと、街路樹のアカシア、庭先の藤棚やジャスミンの生垣からも、甘い香りが漂ってきます。

  そんな初夏を思わせる先月末、中世からの歴史を持つ大学の街パドヴァで「日本救済バザー」が開かれ、私たち家族もさっそく手伝いに出掛けました。

  主催は、ヴェネチア大学の日本語学科。4月上旬、ヴェネチアで開催されたバザーに続き、今回が2回目。ガリレオやコペルニクスも教壇に立った由緒あるパドヴァ大学構内が会場。より支援の輪を広げようというのです。近年、パドヴァはオリエンタルブーム。寿司バーや日本の雑貨店も大人気です。

  私たち家族も含め、パドヴァ近郊に住む日本人と留学生は50人ほど。各家から持ち寄った食器・おひな様・着物・古本などの販売の他、バザー、書道教室・茶道・折り紙のデモンストレーションも行われました。パドヴァ市役所の宣伝協力もあり、朝から夕方まで、大勢の市民でにぎわいました。

  会場作りから接客まで、大奮闘したのがヴェネチア大学の学生たち〔写真〕。ヴェネチア大学日本語学科は、歴史は浅いのですが、ここ数年は1学年が200人を超す人気学科。1年あまりで漢字千字と日常会話をマスターするのです。3年次には、日本の大学へ留学し、日本企業への就職や通訳などを目指す学生が多いと聞きました。

  1日中、私の傍らで、着物姿で売り子をしていた20歳のアンナさんは、大のアニメ好き。でも、卒論は「奥の細道と海」。芭蕉が愛した松島が、どこかヴェネチアと似ていると思ったそうです。研究の第一歩が、三陸津波支援だったことに、日本との絆を感じると言うアンナさん。

  そんな若者たちの思いを乗せ、ここイタリアでも続く支援活動。今回の収益は、福島に贈られるそうです。

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