盛岡タイムス Web News 2011年 5月 18日 (水)

       

■ 岩畜が対米輸出認証 高い衛生ハードルクリア

     
  認定書を伝達される小林英男社長(左)  
 
認定書を伝達される小林英男社長(左)
 
  岩手畜産流通センター(岩畜、本社・紫波町、小林英男社長)は厚生労働省から「米国に牛肉の輸出が可能な施設」として認定され、17日に県庁で県を通じて認定書が交付された。シンガポールへは輸出しているものの、約5年前から取り組んできたものが、ようやく結実した。ただ、昨年に国内で発生した口蹄(こうてい)疫により米国の輸入制限措置が続いており、輸出は解除後に可能となる。世界で最も厳しい米国で認められたことは、ニーズのある各国へ輸出拡大するステップにもなる。岩畜ではさらに今年度中に香港への輸出認証の取得も目指す。

  対米輸出の認証は厚労省医薬食品局食品安全部長名で出され、17日は県庁で小林社長へ工藤孝男県環境生活部長から伝達された。

  伝達後、工藤部長は「対米輸出が許可され、全国200カ所ぐらいのと畜場がある中で、米国へはハードルの高い衛生処理、安全処理の基準があり誇りに思う。対米輸出が可能となることは海外輸出のみならず、全国の方々にこれまで以上に安心安全なブランド力の高い肉を提供できる」と祝福。

  小林社長は「東北・北海道では初めての認定工場。岩手は畜産県であり、県内の生産者の励みになってもらいたい。今後、認定工場の名に恥じないような製品作りに一層の磨きをかけて、近い将来、アメリカまで行けたらと思っている」と意欲を示した。

  岩畜では2006年から牛肉の海外輸出に向けた取り組みを進め、08年に対米輸出工場の認定のための施設整備に着手。県や全農、生産者らと連携し、既にシンガポール、タイ、マカオの輸出工場認定を受けている。

  海外では日本産に関し赤身ではなく霜降りで和牛肉の需要があり、岩畜でも4等級、5等級のロイン系という高級肉を輸出。09年から輸出しているシンガポールでは中国系シンガポール人をはじめ富裕層にニーズがある。

  米国への日本からの牛肉輸出はこれまで北関東と九州の4施設で実績があり、09年の米国への輸出量は7万2463`。米国の富裕層、旅行者、在米日本人らのニーズが見込まれる。今回、岩畜など3施設が厚労省の認定を受け、全部で7施設になる。ただ、米国へは国内の口蹄疫発生に伴う輸出制限(シンガポール等は3月に輸出再開)が継続している。岩畜では解禁後、全農ミートフーズの協力で年間500頭の輸出を目指す。

  国内の経済情勢から牛肉消費は低迷を続け、和牛枝肉市場の価格も低い中、輸出事業は販路開拓を狙ったものだが、対米輸出の認定は国内へのいわて牛をはじめ県産和牛への評価を高める効果も期待できる。

  瀬川隆常務は「米国輸出の認証は最高レベルの品質を求められている。他国への輸出拡大のステップになり、香港向けを今年度中に申請して認証を取りたい。米国で取れたので香港も取れると思う」と話している。

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