盛岡タイムス Web News 2011年 5月 18日 (水)

       

■ 〈不屈の意志〉佐々木電機本店・佐々木一社長に聞く 復旧急いだ防災無線

     
  地震のあとの状況を語る佐々木社長  
 
地震のあとの状況を語る佐々木社長
 
  盛岡市の佐々木電機本店(佐々木一社長)は、大船渡市、大槌町など三陸5市町村の防災無線を手がけた。地震と津波で被害を受けた関連施設の修理を急ピッチで仕上げた。大槌町では現場にいた社員が津波にのまれ、一時連絡がつかなくなった。佐々木社長に震災に伴う電気通信工事の対処について聞いた。

  -地震発生直後の状況は。

  佐々木 大地震の発生を確認し、沿岸の自治体の防災無線の状況を把握するため即、行動に入った。非常用電源はディーゼル、ガスタービン発電機に切り替わって電源を供給するが、今回のような長い停電は経験していない。非常用の場合、消防法に伴う規定で8時間持てば良いが、放送局は自社でこういう場合のため設備していて、2日間ノー給油で働いたというので、そういう意味では貢献できた。

  沿岸では、津波の来襲を連絡して、その後、行政で流すための防災無線設備がやられた。これは大変だと自主的にプロジェクトを組んで、洋野町から大船渡市まで両方からチームで攻めた。心配なのは電源関係だった。電気がないと放送できない。非常用電源は若干積んでいるがもたない。その状況把握のため、専務を本部長として行動に入った。ちょうど次の日は土曜日だったので、メーカーの方に連絡をつけようとしてもつかない。状況把握のうえで対策に臨んだ。

  大槌はうちの無線を引き渡してすぐの時で社員が現場に張り付いていた。町長が対策本部会議を外でやっていた。社員は津波を確認して役所の2階か3階に逃げたが、連絡が取れなくなった。心配して捜索隊を組もうかという矢先、月曜日に真っ黒になって帰ってきた。電源は一時、稼働しなくなったがサポート隊が全国手配して、急きょメーカーや取り引きのある業者から手に入れ、各チームが交換するようにして動いた。

  -三陸沿岸のため何ができるか。

  佐々木 大船渡、大槌など5カ所は自分たちの設備。市町村の中では一番利用されており、防災無線は命に関わるもので、一刻も早く復旧させたい思いでやってきた。物を作るのは3カ月や半年はかかるから、最低限の復旧をしようと。現場の人がやりたいことについては、できるだけ全部お金など関係なくやってしまおうとした。

  バッテリーの交換作業で大船渡に行ったときは、2次災害を受けないようにした。バッテリーも余分に必要になり、防災協定で他県と協定していたので、4セットを供給し、一時的なバックアップはできたと思う。これからは人が住めないところに柱を立てても仕方ない。役所の方でどこに何を設備するか、被害状況を見ながら打ち合わせている。現場はすごいスピードで頑張った。

  無線機だけでなく柱も特殊なさびないものやスピーカーがある。そろそろ全部そろう。できるだけ最短でやりたい。今後は住居地域などにより、設備の仕方が変わってくる。

  仮設住宅は大槌などは山林だった所の相当上に建てているので、人が住んでいるところに建てねばならない。これから生活が動き出す漁業者のため、海の方にも設置しなければならない。

  -今後の復興のため何ができるか。

  佐々木 自治体が機能していない中でやるのは大変なことだった。今後は自治体にできるだけ協力する。心配なのは堤防が破壊されたため、ちょっとした波でもこれから大変だ。そういうところに内陸の人間がどのようなことができるか問われる。われわれは電気通信のノウハウでいくらでも協力したい。漁は港が動かないことにはどうしようもないので、早く動くようにしてほしい。9月くらいに各自治体が工程表を上げると、どういう形になるか注目している。

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