盛岡タイムス Web News 2011年 5月 20日 (金)

       

■ 〈不屈の意志〉岩手県産・和嶋憲男社長に聞く チャーター便で商品発送

     
  和嶋憲男岩手県産社長  
 
和嶋憲男岩手県産社長
 
  岩手県産(和嶋憲男社長)は大震災後、商品を供給するために社員が一丸になったという。物流がストップする非常事態。チャーター便を手配し東京や福岡のアンテンショップへも商品を届けた。全国各地からの支援にも支えられ、厳しい状況を乗り越えた。被災地では地元メーカーが再建に向け新商品開発に決意を燃やす。その思いを胸に新たな支援を開始しているという。和嶋社長に聞いた。
(大森不二夫)

  -被災時の状況は。

  和嶋 会社の建物は大丈夫だった。商品が一部崩れて落ちたが被害にまでは至らない。一番大変だったのは物流機能がストップしたこと。商品が入らないし在庫も運べない。メーカーからは会社に来れば商品はあると言われたが、ガソリンが手に入らず、まったく動けなくなった。

  社員も必死で行動して今までと別なルートを見つけ出しチャーター便を確保した。3月20日ころだった。社員の手柄だ。3月は赤字を覚悟していた。チャーター便の活用で銀座や福岡などのアンテナショップに県産品を届けることができた。在庫が中心だったがこれで少しずつ赤字をカバーできた。

  -沿岸部のメーカーは被災したが。

  和嶋 当社の取り扱い量の約2割は被災した沿岸部の加工会社など。ほとんどが被災した。多くが工場が流されたりし仕事などできる状態でない。当社で被災後販売している商品は積み増ししていた在庫。まだ少しはあるがなくなるのは時間の問題だろう。4月に入り、被災した沿岸部の会社20社を回った。ほとんどの会社が再建の意志を示した。再建したら当社でまた販売してもらいたいと強く言われた。来年から再開すると準備に取り掛かっている経営者もいる。経営者の再建に向けた熱い心を感じた。内陸部より元気だった。

  -4月に入ってから順調なようだが。

  和嶋 全国各地で被災地支援フェアが開かれるようになった。当社にも各地の自治体や企業、小売りなどから支援フェアで販売する商品の供給を求められている。5月上旬までで150件以上も声を掛けられた。首都圏の大手デパートの物産展でも県産品が爆発的に売れている。過去最高の売り上げを記録している。商品の供給が追いつかず品薄の状態の商品もある。銀座と福岡のアンテナショップも大好調。これで赤字は解消され黒字になりそうだ。まさに特需。この動きを一過性にせずに卸の方にも結びつけたい。いつまで続くのか先が読めないが。

  -被災地支援の新たな活動を開始したが。

  和嶋 県産品の普及を通じて被災地復興を盛り上げるために「がんばるぞ!岩手」のシールとのぼりを作成した。シールは1枚1円。県産品の各メーカーに協力してもらい、商品にシールを貼り販売する。シールの枚数分の金額を義援金として被災地に届ける。「がんばるぞ!」は自分たちの強い気持ちを発信していく言葉で表現した。こぶしを挙げて頑張る気持ちで。

  -内陸部の企業は何をすべきか。

  和嶋 内陸部の企業に2次被害が及んでいる。観光関連の企業への影響は甚大だ。土産品店も大変、厳しい。新幹線が再開し私も仕事で乗ったが客が少なかった。人が動かないと経済は回らない。自粛はやめる。われわれはかすみを食べては生きられないのだから。ちゃんと稼ぐ。頑張れる企業から遠慮せずに頑張る。どんどん県外で稼ぎ、外貨を岩手に持ってくる。当社もそれに力を入れる。元気な岩手を取り戻すため、みんなが一丸になり、心を強く持ち、この危機を乗り越えたい。


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