盛岡タイムス Web News 2011年 5月 21日 (土)

       

■ 「岩手国体」は再検討 達増知事、柔軟姿勢に

 達増知事は20日、自ら「困難」と発言した2016年岩手国体開催について「岩手にとっていい結論が出せるよう運んでいければと思っている」と述べた。財源と人員の両面の確保を理由に中止(延期)する方向で市町村へ説明していたが事実上撤回を表明した。同日開かれた、会長を務める県体育協会評議員会で競技団体から縮小開催の道を探るよう要望が相次いだのに押された。その後の取材に対し「結論ありきではありません」と答えただけで会場を去った。

 これを受け、県は県教委、県体協と各競技団体と縮小開催案について協議し、再検討する。日本体育協会や文部科学省などとの話し合いも行っていく。

  西村豊県国体推進課長は「縮小開催のシミュレーションについては内々に県内部で作業を始めた」と説明。結論を出す期限については明言を避けた。

  同日の評議員会では同課が財源、人員確保を理由に「困難」とする説明が行われた。これに対して県内スポーツ人たちが相次いで声を挙げ、16年開催を訴えた。

  口火を切ったのは鈴木俊祐氏(盛岡市体協)。「市町村へ聞き取りする前に知事ができないと発言をした。財源の負担を求めてないから市町村側も答えられない。やらない前提の話だ」と迫った。一関市体協は「知事の発言は残念。子どもたちにどう説明したらいいか。中止ありきの報告で、簡素化した開催のシミュレーションもなく納得できない」と再考を求めた。

  浅沼道成氏(県テニス協会)は「構想では選手だけでなく県民がかかわる国体にするという趣旨だった。まさに県民が一緒になるチャンスで、復興計画に盛り込むべき。開催が望ましい」と提案。

  県クレー射撃協会の細谷夕美子評議員は「陸前高田市から来た。まちは一変し、知っている方も50人以上亡くなった。屋外は全て仮設住宅用地になり、子どもたちは親の車で一関方面まで来て練習している。スポーツを通じて勇気をもらっている。どんなに大変でも、目標を持ってその達成が光となるように縮小されてでも開催を」と沿岸の声を代表した。

  達増知事はこれに対し「やらないとは全然言ってないし、県だけで決められない。縮小してでもというのは理解できる」と応じた。一方で「4万人を超える避難者にきちんと衣食住を保証し、働く場所を確保するなど、かなりの予算と人員を割かなくてはいけない」と理解を求めた。

  「県体協会長としては岩手のスポーツを守りたいし、発展させたい。未曽有の100年に一度の災害を克服するには、100年に一度の努力と工夫が必要だが、私は岩手は必ずできると思っている」と主張した。

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