盛岡タイムス Web News 2011年 5月 23日 (月)

       

■ 〈幸遊記〉20 照井顕 坂元輝の「海を見ていたジョニー」

 渋谷ジャズ維新シリーズの一枚として、2007年に初めてCD復刻された、ジョニーズ・ディスクの「海を見ていたジョニー」。坂元輝ピアノトリオの演奏によるLPレコードが、この5月16日にHQ(ハイクオリティ)盤のCDとして、再復刻された。

  “五木寛之の小説「海を見ていたジョニー」に捧ぐ・坂元輝のレフト・アローン。バッファロー・ジョニーの魂が今、陸前高田ジョニーで甦る”。として発売したものだった。

  ジャケットは、故・朝倉俊博氏が「アサヒグラフ」81年4月10日号に発表した「日本人のジャズを夢見る東北のジョニー」で使用した写真。演奏者ではなく僕が写っているジャケットなのだ。(撮影場所・陸前高田市黒崎仙峡の突端)

  ライナーノーツ(解説文)は、当時、休筆中だった五木寛之さんに無理言ってお願いし、半年かかって書いて頂いたもの。その400字詰原稿用紙数枚に、万年筆で書かれた生原稿は僕にとって「聖書」のような感じで、時折引き出しから取り出しては何度も読み返した。

  このレコードが注目を浴びだしたのは、僕が本業として掲げ続けてきた「日本のジャズ」が「和ジャズ」という表現に変わり、その和ジャズとしての名盤が様々な本に特集されるようになった。その中に当時の大手レコード会社が制作した作品に混じって、僕の自主制作レーベル「ジョニーズ・ディスク」の作品が必ずと言っていい程紹介されている昨今だが、その和ジャズ名盤の筆頭的作品として頭角を現しているのが、本作品「海を見ていたジョニー」(陸前高田ジョニーにおける1980年の実況録音)なのだ。

  今回の再復刻盤は、発売当時のまま復元。CDではあるがLP盤紙ジャケットと解説書まで当時のまま縮小した、原盤オリジナルにこだわった装丁。制作発売元は、ソリッド・レコードの「株・ウルトラ・ヴァイヴ」で、社の25周年記念盤としての位置付けである。

  小説よろしく僕も「海を見ていた…」と過去形となり、今、盛岡北上川辺りの「ジョニー」にいる。30年ぶりに坂元さんと電話で話をした。彼は当時と変わらず今も高田馬場でジャズピアノ教室を開いていた。
(開運橋のジョニー店主)


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