盛岡タイムス Web News 2011年 5月 24日 (火)

       

■ 〈東日本大震災〉「再生」「再建」「再編」の3パターン 津波防災専門委が提示

 県の津波防災専門技術委員会(委員長・堺茂樹岩手大学工学部長)は23日、盛岡市内で開かれ、本県における津波対策の方向性等の考え方を協議しまとめた。6月中旬に発表予定の県の復興ビジョンに反映される見込み。基本方針を「再び人命がそこなわれることのない多重防災型まちづくりと防災文化を醸成し後世に継承することを目指す」とした。復興まちづくりのグランドデザインでは被災類型と被災前の土地利用類型から3パターンを示し、津波防災まちづくりの基本型として示す3つと組み合わせて、地域ごとに個別のたたき台として示す方針。

  津波対策手法の考え方としては、地域の実情に応じて「海岸保全施設」「まちづくり」 「ソフト対策」を組み合わせて実施するとした。

  防潮堤などの海岸保全施設の整備目標の考え方としては「基本方針を達成するため、同施設の整備目標は過去に発生した最大の津波の高さを目標にするのが望ましい。ただし、地理条件や社会・環境に与える影響、費用等の観点から、同施設のみによる対策が必ずしも現実的でない場合の目標は、過去に発生した津波等を地域ごとに検証し、おおむね百数十年程度で起こりえる津波を対象とする」こととした。加えて、まちづくり、ソフト対策を強化する。

  復興まちづくりのイメージは被災類型を全域被災、臨海部被災に分け、土地利用を都市型と集落型に分け、3パターンを提示。A「都市機能のほとんどを失ったため根本から都市づくりを考え再生(都市再生型)」、B「都市機能の一部を損失したため残存市街地を生かしながら都市を再建(都市再建型)」、C「海辺の集落の多くが被災したため津波災害に強い集落づくりを推進(集落移動型か集落内再編型)」に集約。

  さらに津波から集落や市街地を守る考え方として、津波のエネルギーにどう対峙するかによって、高台移転をしてのエネルギー回避型、再生市街地を浸水域の一部かさあげと高所移動で防災施設を面的にV字に配置するV字エネルギー分散型、被災市街地の大部分を再生市街地の中に取り込みながら、かさ上げと高所移動を組み合わせ、従来型の防災施設、防災機能を持った道路、鉄道の配置によって低減させるエネルギー抑制型に分類。

  パターンと基本形の組み合わせによって、被災地ごとにグランドデザインを描いていく方向。共通するのは生命・財産の保全、コンパクトな都市形成、産業の再生と活性化、環境共生のまちづくりとなる。

  委員会は総合的な検討を今回で終了し、次回からは復興まちづくりのデザインについて、各被災地の実情等に照らして、年内を目標に個別にたたき台となるモデルを提案する。

  堺委員長は「地域ごとのロードマップについてもうちょっと具体性のあるものを委員会として示していきながら、地域との情報を交換しながら地域が満足するまちづくりにつなげていきたい。委員会として検討して提案していく」と話している。

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