盛岡タイムス Web News 2011年 5月 31日 (火)

       

■ 〈イタリアンチロルの昼下がり〉123 及川彩子 初夏の祝日「家族の日」

     
   
     

 眼に青葉の5月末の日曜日は、祝日「家族の日」。イタリア語でフェスタ・ディ・ファミリア。子どもたちが最も楽しみにしている祝日で、どの街でも「家族」をテーマにしたさまざまな催しが行われます。

  私たち家族が住むアジアゴでは、ここ数年、父母による演劇の上演会でしたが、今年は、アジアゴの街周辺を市民総出で自転車で駆け抜ける新企画でした。

  この日は、さわやかな自転車日和。午前9時半、街の中心にある教会に集合し、約1時間の特別ミサの後、市役所の車の先導で、アジアゴの街と郊外を、家族そろってべダルをこぐのです〔写真〕。

  色とりどりの自転車の列はまさに壮観。お隣さん家族と一緒に参加したわが家の娘たち、神父さんや修道女たちの姿もありました。

  車両通行止めの街をゆっくり走るのですが、高原の街はカーブや坂が多く、特に郊外は、丘陵地の連続です。子どもの自転車を押すお父さん、逆に子どもに励まされるおじさん…カメラを構えながら、はしゃぐ子どもたち。大人たちの慌てぶりや笑顔が印象的でした。

  イタリアの祝日には、「家族の日」と同様、3月19日の「父の日」も盛大に祝います。聖母マリアの夫、聖ヨゼフの日です。息子の出生の神秘を受け止め、キリストの養父となった大工ヨゼフ。マリアの陰になりがちですが、その寛大な父親像は、やはり「家族」の核を成しているのです。

  また、イタリアの「母の日」は、世界共通の5月第2日曜日。南北戦争の時、敵味方を問わず、負傷者を救った女性の提唱で、アメリカで制定されたのが始まりです。この日は、イタリアでもカーネーションを贈ります。

  イタリアに「子どもの日」はありませんが、「家族の日」の主役は、やはり子どもたち。ペダルをこぐさわやかな汗と疲れが、心地よく感じられるのでした。


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