盛岡タイムス Web News 2011年 6月 1日 (水)

       

■ 〈不屈の意志〉岩手ホテル&リゾート・赤坂勝常務に聞く 4、5月は前年クリア

     
   
     
  盛岡グランドホテルは大震災で建物や人に直接的な被害はなかったが、予約取り消しが続くなどの被害を受けた。中心部にある盛岡グランドホテルアネックスは、停電の中でも宿泊客を受け入れて営業を続けた。経営する岩手ホテル&リゾートの赤坂勝常務取締総支配人は、二つのホテルを往来しながらそれぞれの対応をしたという。大震災から70日以上が経過するが震災の余波は今も残っている。赤坂常務に現状などを聞いた。 (大森不二夫)

  -大地震直後の状況は。

  赤坂 大震災の起きたときグランドでは、ある大手企業の友の会が開かれていた。300人ほどのお客様がいた。大地震で停電し非常灯だけが点滅した。スタッフはすぐ、お客様をホテルの外に誘導した。お客様も従業員も全員無事だった。揺れが落ち着いてから、お客様のほとんどは車でホテルを出た。名古屋から来たお客様がいたが、自家発電のある安比グランドなどにお連れした。
  その日、会のあと懇親会も予定されていた。万が一、懇親会に出席する方も来るかもしれない。その会社のスタッフも当ホテルのスタッフもしばらく待機していた。外は真っ暗になった。もう誰も来ない様子だった。午後6時ころには切り上げた。それからスタッフを家に帰した。
  アネックスも当然停電した。こちらは宿泊客がたくさんいた。停電で風呂が使用できない。テレビも見られない。もし当ホテルに宿泊するなら今の状況を踏まえていただければと率直に申し上げた。そのようなことを理解した上でお客様に選んでもらった。その日、泊まっていただいたお客様には朝食を出した。グランドやアネックスには冷凍食品があった。幸い、ガスが利用できたのでご飯は炊けた。

  -その後の動きは。

  赤坂 グランドでは震災の翌日、結婚式が予定されていた。できる状態ではない。何とか相手先と連絡を取った。延期になった。その日から式も宴会もほとんどキャンセル、延期となった。ホテルの暖房には重油を使用するが、宴会などがなくなったのであまり使用せず節電などでしのげた。商売としてはおかしいことだが。売り上げはもちろん大幅にダウンした。5月のゴールデンウイーク以後から結婚式や宴会などが増えつつある。
  アネックスは宿泊客が増え始めた。宿泊客は観光客でない。ほとんどが県外の人。沿岸部の被災地の復旧・復興関連の仕事で来た人ばかり。通信インフラの整備などの関係者やマスコミ関係者も多数、宿泊した。マスコミ関係者であふれた時期もあった。中心市街地の飲食店などにも余波があったのでは。4月からさらに増え5月も減っていない。4月、5月とも前年をクリアして順調。昨年4月は脳外科学会があり大変にぎわった時期だったがそれを上回った。当ホテルだけでなく駅前のホテルなど市内中心部のホテルはどこもいっぱい。連泊組も多い。当ホテルでは1カ月も滞在するケースもある。最近は当日の部屋の予約もあり、この先の流れは読めない。

  -沿岸部の支援や地域経済の活性化は。

  赤坂 まだ自粛ムードがある。精神的な面があろう。もちろん大騒ぎするのはどうかと思うが普通の生活はしてもいい時期だろう。当ホテルのスタッフには普通に外食し、食べて飲むよう話している。岩手経済同友会の代表の一人として4月14日、福岡市で開催の全国同友会大会に出席した。最初は被災地側から来た私たちに遠慮して自粛ムードもあったが、最後は宴会をした。自粛せず普通にした方が良い。
  以前、私は陸前高田に住み、そこで仕事していたことがある。震災後、久しぶりに訪問した。本当に何もなかった。テレビで見るのと大違い。親しくしていた地元の経営者にも会い話を聞いた。津波で工場ごと流された人もいた。彼らに今何がほしいか、われわれ内陸部の人間に何をしてもらいたいかなどを聞いた。
  そうしたら、ニーズは日々変わるので何とも言えないが、大量に送られた支援物資の中には余っているものも多いと言われた。内陸部の企業にぜひ頑張れと逆にエールを送られた。元気は沿岸部の経営者の方にあると感じた。内陸部は頑張らないと。


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