盛岡タイムス Web News 2011年 6月 1日 (水)

       

■ 〈東日本大震災〉被災の沿岸2校が県代表 下橋中生徒会が激励に訪問

     
  激励横断幕を囲む下橋中と大船渡中の生徒たち  
 
激励横断幕を囲む下橋中と大船渡中の生徒たち
 
  全国の中学生が集う第11回全国中学校総合文化祭岩手大会(全国中学校文化連盟の主催)は8月18日と19日、盛岡市の県民会館で開かれる。この舞台部門に、沿岸被災地から大船渡市立大船渡中学校(伊藤聰校長、生徒281人)の「仰山流笹崎鹿踊り」と陸前高田市立気仙中学校(越恵理子校長、生徒78人)の「気仙町けんか七夕太鼓」が出演する。熊谷雅英県中学校文化連盟会長と事務局校の盛岡市立下橋中学校の生徒会8人、PTA役員らが31日、両校を訪問し、舞台に立つ生徒たちを激励した。

  全国中文祭は舞台部門に他県から15団体、本県から11団体が出場する。気仙中は津波で校舎が全壊、全校の8割が自宅を流出する甚大な被害があったが「頑張る姿を復興の証に」と急きょ出場が決まった。

  大船渡中も50人以上の生徒が被災、体育館は避難所となり、グラウンドは仮設住宅で埋まっている。津波で校舎が使えなくなった赤崎中の生徒も受け入れるなど震災の影響が続くが、予定通り参加することにした。

  陸前高田市の旧矢作中校舎で授業を再開している気仙中では、越校長や芳野隼人生徒会長(3年)らが下橋中の一行を歓迎。下橋中の村井哲平生徒会長(3年)は「今こそ明るく前を向いて過ごさなければならないと思う。今は難しくてもその日が来ると信じています。魂のこもった太鼓の音色を響かせてください。共に頑張りましょう」と呼び掛けた。
     
  全国中文祭で「けんか七夕太鼓」を発表する気仙中の3年生  
 
全国中文祭で「けんか七夕太鼓」を発表する気仙中の3年生
 

  激励のメッセージをかいた横断幕と生徒会などで募金した義援金10万円を贈呈。芳野生徒会長は「自分たちの頑張りを見せることで全国の支援者や地域の方に感謝の気持ちを表したい」と感謝した。

  越校長は、全校が高台へ4度場所を移動しながら津波から逃れた震災当日の様子を語り「全国の皆さんの支えを頼りに歩み出そうとしている。全国中文祭出場という新たな目標を持つことができうれしく思う」と話した。

  「気仙町けんか七夕太鼓」は、山車をぶつけ合う「けんか七夕」の勇壮さや郷土愛を表現した創作太鼓。学校所有の太鼓は津波ですべて流出したが、地元スーパーや地域の応援で発表に必要な6台がそろいつつある。

  例年は、けんか七夕の伝統が息づく今泉地区の生徒たちのみの出演だったが、今年度は3年生全員が交代でステージを務め、気仙の意気込みを示す予定だ。3学年委員長の山口直樹君は「物はなくなっても伝統はなくならない。被災者の方も勇気づけられるような太鼓を披露したい」と決意を述べた。

大船渡中では伊藤校長と小谷力斗生徒会長(3年)、鹿踊りのメンバーら13人が下橋中の一行を迎えた。小谷生徒会長は下橋中からの応援メッセージと義援金に感謝し「災害に負けず、自分たちでできることをしっかり考え、頑張っています。皆さんの思いを胸にお互いに素晴らしいまちを作っていきましょう」とあいさつした。

  鹿踊りは、希望者のオーディションでメンバーが決まり、3年生11人の中から9人が舞台に立つことができる。メンバーは部活動の主力でもあり、中総体の終了後、夏休みに集中的に練習に励むという。

  秋山怜君(3年)は「踊りの切れや細かい太鼓の音など足りないところがまだまだある。鹿の姿が思い描けるような踊りにしたい。元気や勇気を与えられるよう精いっぱい踊りたい」、佐藤真由香さん(3年)も「メンバーの息の合った踊りが鹿踊りの魅力。被災したことを言い訳にしない、迫力のある演技を見せたい」と誓った。

  下橋中の生徒たちは被災した赤崎中校舎や陸前高田市内も見学。被災地の惨状を目の当たりにした。全国中文祭で気仙中の案内役を務める中川賢人君(3年)は「苦しい状況にあると思うが、いい発表をしてもらえるようしっかりサポートしたい」、大船渡中担当の中野美優さん(3年)は「被災して大変なのに前向きなメッセージが伝わってきて感動した。本番では全国の皆さんを勇気づけられるような演技をしてほしい」と話した。

  全国中文祭の舞台部門では演劇や郷土芸能、合唱など全国トップレベルの発表が繰り広げられる。盛岡地区からは城西中、矢巾北中、紫波二中、盛岡白百合学園中、盛岡市内の特別支援学級、県吹奏楽連盟盛岡支部選抜合同バンドが出演。乙部中の盛岡さんさがオープニングを飾る。展示部門には美術や書道、新聞など約2500点が出品される予定。2日間で延べ4700人の生徒の参加が見込まれる。熊谷会長は「生徒たちの元気が地域の明るい材料になれば」と願った。


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