盛岡タイムス Web News 2011年 6月 2日 (木)

       

■  〈がんばっぺし広場〉店流された居酒屋も「うどんいかが」

     
  吉里吉里での再起を誓う前川剛さん(右)  
 
吉里吉里での再起を誓う前川剛さん(右)
 

 「うどんいかがですか」。がんばっぺし広場には、津波で店を失った地元の居酒屋「自然派厨房・凛々家(りりしや)」=吉里吉里1丁目=の店主前川剛さん(39)も炊き出しボランティアとして参加した。白い麺に、アツアツのだし汁を手際よく盛り付ける前川さん。「久しぶりの仕事。やっぱ、うれしいです」と笑みがこぼれた。

  前川さんは漁業権を持ち、山菜やキノコ採りもする。ウニ、アワビ、アイナメ、旬の山菜-。店では自ら捕った海の幸、山の幸をふんだんに使ったメニューを提供。客の7割は女性で季節感あふれる料理が人気だった。仙台市などで修業を重ね5年前、妻の育子さん(39)と、ようやく持てた理想の店だった。

  大津波は、海岸そばの国道沿いにあった店はもちろん、漁業の足場もことごとく破壊した。今は被災を免れた実家に身を寄せ、がれきの撤去作業などに加わっている。救いは育子さんと4歳から17歳まで息子4人全員が無事だったことだ。

  「命あってこそ。子どもたちの笑顔に力をもらう」と前川さん。「もう1回、地元で店をやりたい。同じ場所で」。どこにも負けない三陸の幸、支え合える仲間、家族がいる古里を誇りに思う。「20年後、ここが、どんな復興を遂げるのか楽しみ。絶対、地元に残って見届けたい」。


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