盛岡タイムス Web News 2011年 6月 8日 (水)

       

■ 県復興委員会が基本計画案を了承 「三陸創造」へプロジェクト

 県東日本大震災津波復興委員会(委員長・藤井克己岩手大学長)は7日、盛岡市内で開かれ、県の復興基本計画案を委員会として了承した。復興の目指す姿として「いのちを守り/海と大地と共に生きる/ふるさと岩手・三陸の創造」を掲げ、復興に向け▽「安全」の確保▽「暮らし」の再建▽「なりわい」の再生│を3つの原則とする。この下で地域のコミュニティーや人と人、地域と地域のつながりを重視しながら、復興への取り組みを進める。県では9日の復興本部員会議で基本計画原案を決定後、パブリックコメントにかけ、県議会などの意見も聞きながら最終案をまとめ、県議会9月定例会の議決を目指す。計画決定は秋、第1期実施計画案も8月ごろがめどだが、実際には緊急的な取り組みを中心に事業は始まっている。

  県東日本大震災津波復興計画は、これまで復興ビジョンと実施計画の構成としてきたが、ビジョンを基本計画とする。計画は地域の未来の設計図。施策や事業、工程表などを示した復興実施計画も別に作成し、全体として復興計画とする。

  計画は2011年度から18年度までの8カ年が全体期間。復興実施計画では第1期3カ年を基盤復興期間、第2期3カ年を本格復興期間、第3期2カ年をさらなる展開への連結期間と位置づけ、取り組みを推進する。

  基本計画案の構成は▽はじめに▽序章▽第1章被災状況▽第2章復興の目指す姿と3つの原則▽第3章復興に向けたまちづくりのグランドデザイン▽第4章復興に向けた具体的取り組み▽第5章三陸創造プロジェクト▽復興に向けた連携等│。

  津波防災の専門的、技術的見地から検討されたグランドデザイン(GD)では、津波対策の基本的考え方を「再び人命が失われることがない多重防災型まちづくりと防災文化を醸成し継承することを目指す」こととした。

  おおむね百数十年程度で起こりえる津波高さを海岸保全施設の整備目標とし、被害状況や地理的条件、歴史や文化、産業構造等に応じて海岸保全施設、まちづくり、ソフト対策を組み合わせた多重防災型まちづくりのGDを描き、地域にふさわしい津波対策で安全の確保を図る。

  GDは▽生命と財産の保全▽コンパクトな都市形成▽産業の再生と活性化▽環境との共生|を視点とする。具体的な取り組みの体系は10分野に整理。三陸創造プロジェクトは長期的な視点に立ち、復興を象徴し、世界に誇る三陸地域の創造を目指す観点から掲げる。

  復興に向けた連携では、市町村と連携した復興の取り組み、県民や関係団体、企業、NPOなど県内外の多様な主体との連携、国の主体的取り組みや支援などを念頭に置く国家プロジェクトとしての復興の提案等、県内外の地方自治体との連携と、多様な主体が復興に向けて取り組むイメージを示す。

  藤井委員長は「委員会発足から2カ月足らずの間、精力的に意見交換し、被災地の意見もくみ上げて計画案を見ることができた。委員会のメンバーは岩手在住で、ボトムアップで自分たちで復興を練り上げるというのが岩手の計画の特徴。具体的取り組みが入れられ、次に希望を生むような復興計画としてまとまったと思う」との見解を示した。

  「3つの原則は岩手らしさと言える。津波被害が想定を超える地区が多かった中で、どう立ち上がって、立て直していくかで、なりわいという言葉に込められた、働いて一歩踏み出すんだというところに力強さが表れている」と話している。


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