盛岡タイムス Web News 2011年 6月 16日 (木)

       

■ 〈不屈の意志〉
   岩手スバル自動車・柴内祝三社長に聞く 中古車の価格は上昇

     
  震災後の状況を語る柴内社長  
 
震災後の状況を語る柴内社長
 
  盛岡市の岩手スバル自動車の柴内祝三社長に、東日本大震災津波の対応と自動車販売の現状を聞いた。宮古、釜石の営業所の被災は少なかったが、従業員の中に被災者が出た。被災地では軽自動車の売れ行きが好調で、中古車はオークションで高騰している。新車登録台数は昨年のエコカー補助の反動で低迷しており、国に対しては抜本的な税制改革による内需拡大を求める。(鎌田大介)

  -震災後の状況は。

  柴内 被害は割合少なかった。従業員の状況と拠点の状況を把握するようにした。沿岸には宮古、釜石に営業所があり、両地区に連絡がつかなかったが3日後に全員が無事と分かった。多少ガラスにひびが入った程度で、ほぼ無事と確認できたのが3日後くらい。営業所は被災の中心街から外れてあったので助かった。その間は休業同然だった。
  ちょうどそのとき、採用の説明会をやろうとしていた。受講者に連絡が付かず、中止にしたが一人来られた方がいた。
  ガソリンがなく、従業員が個別に被災し、自宅が床上浸水で避難所生活したり、避難所に行けず釜石の営業所に3週間ほど泊まり込んだ社員がいた。45号線が途絶え、自分の家が被災地で向こう側にあって行けないということもあった。10日から2週間は、どうやって救援物資を送ろうかと考えたがガソリンがなかった。

  -自動車の被害への対応は。

  柴内 ユーザーに貸していた社用車が5台、業者に貸していた展示車が3台だめになった。当社は奇跡的にお客様から預かった車で水をかぶったのはまったくなく、逆に社用車がやられた。修理は皆さん、だいたい床まで水が来るとだめだと分かっていて、そんなに多く持ち込まれて大変ということはなかった。
  ガソリンがなくなり、持ち込むに持ち込めなくて、間が空いて少なかったのかもしれない。ガソリンが潤沢にあると早く動きたいので、直したいと思われたかもしれないが。

  -被災地では軽自動車や中古車が好調で、普通車は低迷しているのでは。
     
  盛岡市上堂3丁目の岩手スバル自動車  
 
盛岡市上堂3丁目の岩手スバル自動車
 

  柴内 軽は被災地、大船渡と陸前高田などで需要が高い。中古車はうちは拠点が沿岸にないが、今は不足している。去年よりは良いが特段被災地の影響を受けて良くなっている感じではない。被災地であれば50万円以下くらいの中古車が出るが、あまり該当するものが当社にない。中古車自体、値が高くなっている。オークションに出しても通常より高値の取引で、仕入れようと思っても高い。普通車については、4、5月はほとんど去年並みの注文はいただいているので、それほど落ち込みはない。今月に入って(新車)登録車が少なくなった。

  -地域経済の冷え込みに対する方策、施策的に望むことは。

  柴内 一番は職の窓口を作ること。いろんな情報によると、県内でも新卒の就職がだめになったことがあるようだ。足下で門戸を開くことが必要だ。
  また確かに被災していて大変ということもあるが、普段通りの生活をする。極端に言えば週1回くらいは外食をしていたのが自粛自粛では、長引くほど2次被害が出てくるだろう。わたしは岩手県人で盛岡出身だが、去年まで4年間は沖縄にいた。沖縄の場合はレンタカー需要がとても大きく、登録車の3分の1がレンタカー。観光需要が落ち込めば自動車業界は響く。岩手県は観光需要はあるが、それに比べたら少ないから影響度はそういう特殊な県より少ないが、無いとは言えない。
  また自動車の取得税などは二重課税になっているので、補助金対策では一時的な需要は起きても必ずその反動が来る。もっと恒常的なものを続けるよう改革してもらわなければ、いつも浮き沈みしてしまう。

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