盛岡タイムス Web News 2011年 6月 20日 (月)

       

■ 東北の高速道、きょうから被災者無料 歓迎の一方、懸念も

 東北自動車道などが20日から、東日本大震災津波の被災者と、トラック・バスなど中型車以上の通行が無料化される。被災者は罹災(りさい)証明書か被災証明書と本人確認の免許証、健康保険証などを提示して一般レーンを通行する。現在のETCの上限1千円の割引きは終わり、八戸道などでの無料化区間の社会実験は凍結される。業界団体からは歓迎の声が上がる一方、東北以外からやってきてくれているボランティアには不利益になることを懸念する声もある。

  高速道はこれまで観光や物流の活性化を図って各種の割引や、無料化実験などが行われてきた。東日本大震災の発生に伴い、被災地へのアクセスや復興に向けた経済活性化のため、新しい制度で無料化される。

  津波に遭わなかった内陸部でも地震による停電だけでも被災証明を出す自治体があり、制度が適用されるドライバーと車両はかなりの台数に上る。高速道の利用増について東日本高速道路東北支社盛岡管理事務所の佐藤敏文総務担当課長は「見当がつかない。発行は自治体がするので、それを持って無料通行する車両がどれくらいあるかによる」と測りかねている。

  「被災証明を持っている人が乗っていれば、同乗者でも構わないし、本人であるか確認できるものを提示してもらう。一般レーンを通過してもらうのでETCよりは時間がかかることもある。一般を2レーンにする時間帯を増やして対応することになると思う」と話す。

  被災車両のほか中型車以上のトラック、バスも無料化される。県トラック協会の佐藤耕造専務は「4d車以上が無料になれば東京方面に行くときなど業界にはかなりメリットがある。震災のあとは沿岸の企業が被災するなどして物流が少なくなっていた。今後は復興に向けて相当、輸送量が増えると思うので緊急の措置でも助かる」と話す。

  一方、被災者からは手放しでない意見も。大槌町から雫石町に自分の車で避難してきた漁業の佐藤高寿さんは「東京まで行く余裕がある被災者は少なく、あまり利用する人はいないのではないか。トラックやバスは仕事で動いているので料金はもらい、むしろボランティアで被災地に行く人、被災者の家族などを無料化した方が良いのでは。観光の活性化も必要だ。遠くの兄弟がこちらに来ようとしても、ETCの1千円割引はなくなり、逆に来にくくなるのでは」と、効果を疑問視している。


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