盛岡タイムス Web News 2011年 6月 20日 (月)

       

■ 〈幸遊記〉24 照井顕 外山喜雄・恵子のワンダフルワールド

 2011年4月24日。TVニュースに映し出された子どもたちの演奏風景。それは宮城県気仙沼市の避難所になっている市の総合体育館前で行われた「スイング・ドルフィンズ」の感動的なジャズ物語。

  何でも津波で楽器を流されてしまい、練習ができないでいる子どもたちの元へ、ニューオリンズからの義援金をもとに届けられた真新しいピカピカの楽器。そのお披露目コンサートが行われたとのことだった。

  そのニューオリンズと気仙沼を結ぶ夢のアーチを架けたのは、日本のサッチモ(ルイ・アームストロング)と呼ばれているトランペッターの外山喜雄氏(67)だった。

  彼は妻の恵子さん(ピアノ・バンジョウ)と共に、デキシー・セインツというバンドを率いて活動しながら、日本ルイ・アームストロング協会の代表も務める方で、ニューオリンズとの交流は、すでに40年のキャリア。

  かつて、ルイ・アームストロングが銃を発砲したために少年院に送られ、そこで出合ったトランペットが、その後のルイの生涯を決定づけた。そのことから、外山夫妻は「銃に代えて楽器を」のスローガンを掲げ、音楽をやりたくても貧しさのために楽器を所有することができない子どもたちのために、楽器を送るプロジェクトを立ち上げ、これまでの17年間に800近い楽器をニューオリンズに届け続けてきた人なのだ。

  2005年、ニューオリンズに壊滅的な被害をもたらした、大型ハリケーン「カトリーナ」の襲来時にも、外山氏は日本でその救済ライブと基金活動を行い、全国のジャズファンから寄せられた募金1000万円と、楽器も贈り届けた。

  そこへ3・11の東日本大震災。「日本へ恩返しを!」と、ニューオリンズから、外山氏を通じての支援だった。お陰様ついでに外山夫妻との共演もできた「スイング・ドルフィンズ」。

  このオーケストラは93年5月、気仙沼・本吉地区の小中学生を募り、地元のアマチュア・ミュージシャンたちが「ジュニア・ジャズ・オーケストラ」の会を発足させて指導したのが始まり。知人だった故・佐藤正俊さん(当時44)が代表を務め発足。同年秋の市民文化祭にデビューさせた早業は、当時の僕を驚ろかせたものでした。
(開運橋のジョニー店主)

本ページ掲載内容の無断転載を禁じます
ホームページに関するお問い合わせ、取材に関する情報は
E-Mail:hensyuu@morioka-times.com
盛岡タイムス宛てにお願いします