盛岡タイムス Web News 2011年 6月 21日 (火)

       

■ 〈東日本大震災〉防災と海洋の研究拠点目指す 県が学会視察受け入れ

     
  被災地視察調査を前に県の説明を聞く地域安全学会の会員ら  
 
被災地視察調査を前に県の説明を聞く地域安全学会の会員ら
 
  県は、国際的な防災・海洋に関する研究拠点の形成に向け、学会などを対象にした被災地視察調査の受け入れを始めた。第1弾となる地域安全学会(重川希志依会長)の視察調査が21日まで県内で実施される。現地視察に先立ち、19日は盛岡市盛岡駅西通のアイーナで東日本大震災津波被害の概要や復興復旧への対応について県の説明を聞いた。

  同学会は大学の研究者や民間企業の技術者、国や地方自治体の実務者らが互いに協力し、地震などの自然災害や人為的災害の調査研究を行い、国際的な会議やシンポジウムで提言を行っている。今回は米国地震工学会、韓国防災学会、台湾防災学会など海外の研究者を加えた約60人が参加。2日間掛けて久慈市から陸前高田市まで沿岸被災地を視察する。

  県は宮古市田老や山田町、大槌町、陸前高田市など甚大な被害を受けた市町村の震災前と震災後の航空写真を示しながら、今回の震災の規模などを説明。対応状況については発災直後に各市町村の行政機能が失われて情報が全く入ってこなかったこと、交通機関がストップしたことで震災後3日間は救援物資の輸送ができなかったこと、半島が多い地形から孤立する集落が多数発生したことなどを紹介した。

  参加者からは「今回の地震は中越や阪神淡路と違い、非常に広域。交通インフラや物流には各県の連携が必要になるが、そういった動きがあるのか」「避難所の管理や運営はどのように行われているのか」「県の復興構想に住民がどのように参加しているのか」などの質問が出た。

  県では震災を踏まえて地震・津波などに関する防災研究および海洋環境・生物・地質、水産業、再生可能エネルギーなどに関する海洋研究の国際的な研究拠点の形成を沿岸部で計画している。これに伴い▽本県をフィールドとした調査・研究活動の促進▽調査研究結果などの集積▽研究拠点形成に向けたネットワークの構築|を目的に、今後も学会などを中心に被災地域の視察調査の受け入れを実施。視察終了後は調査研究計画や復興に向けた提言を県に提出してもらう。

  県商工労働観光部科学・ものづくり振興課の佐々木淳総括課長は「この震災をただの震災に終わらせずに、この知見、分析調査を世界に貢献できる形に持っていきたい。県とすれば防災、海洋の世界的研究拠点を三陸沿岸に造っていきたいという構想を持っている。今回の調査が岩手県の拠点構想、世界の防災に向けた大事な調査となるよう願う」と話した。


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