盛岡タイムス Web News 2011年 6月 23日 (木)

       

■ 楽譜とピアノを被災地へ 県ピアノ音楽協会が提供呼びかけ

     
  被災地のピアノ教師や子どもたちのため、全国から集まった楽譜。「活動を広く知ってほしい」と話す県ピアノ音楽協会の滝沢昭子会長  
 
被災地のピアノ教師や子どもたちのため、全国から集まった楽譜。「活動を広く知ってほしい」と話す県ピアノ音楽協会の滝沢昭子会長
 
  県内のピアノ教師や演奏家でつくる県ピアノ音楽協会(滝沢昭子会長、会員115人)は、東日本大震災津波で被災したピアノ教師や生徒たちを支援しようと、全国に楽譜やピアノの提供を呼び掛け、被災地に贈る活動を展開している。被災地の多くの家庭は生活の立て直しで精いっぱい。しかし、好きな音楽を支えに新たな一歩を踏み出す子どももいる。事務局は生活が落ち着く数年後も視野に支援を続ける予定で、広く協力を求めている。

  大槌町大町のピアノ教師大久保恵理子さん(50)は津波で自宅が流失。今は釜石市甲子町の実家に避難している。20人以上いた生徒の家庭の多くが被災。それでも二人の生徒が「ピアノをやめたくない」と大久保さんのもとに通って来る。大久保さんはピアノも楽譜もすべて流されたが、実家にあったピアノと同協会から贈られた楽譜でレッスンを再開した。

  「こんなときにピアノなんて二の次、三の次と思っていた。けれど、『津波だからといって、これまで子どもが頑張ってきたピアノをやめさせたくない』というお母さんもいた。その言葉にこちらが勇気づけられた」と大久保さん。

  「仮設住宅にピアノを入れるのは無理だが1年後、2年後に新しい住まいが決まれば、また習いたいと思う子もいるはず。その時まで家で眠っているピアノがあれば保管していただき、子どもたちを支援してほしい」と願う。

  同協会は震災後、大阪のピアノ教師らが楽譜を贈る支援活動を立ち上げたのを知り、連動して活動を開始。その後、同協会独自の活動に切り替え、ホームページで全国に協力を呼び掛けた。

  盛岡市内の事務局には、これまでに約40人から500冊を超える楽譜が寄せられ、被災した教師の希望に応じて順次、配送している。ほかにも家で眠っている中古ピアノや電子ピアノの提供を呼び掛け、4台を被災地に仲介した。

  集まった楽譜は会員以外の教師や生徒にも贈っており、遠慮なく事務局に問い合わせてほしいという。

  「音楽は心の癒やしになる。あきらめないでほしい。長い目で支援を続けたい」と滝沢会長(69)。引き続き、楽譜や中古ピアノ、消音可能な電子ピアノなどの寄付を募っている。ツェルニーの練習曲やソナチネ、ソナタアルバムなど中級以上の楽譜が不足しているという。書き込みのない楽譜、新品にはこだわらないが損傷のない楽譜を求めている。送料は発送者負担。詳細は同協会のホームページhttp://www.geocities.jp/tototyan2/hisaiti.htmlでも見られる。

  問い合わせは盛岡市緑が丘2の2の11、県ピアノ音楽協会事務局へ。電話019-661-2927、Eメールtototyan@par.odn.ne.jp


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