盛岡タイムス Web News 2011年 6月 28日 (火)

       

■ 〈東日本大震災〉一時避難の杵家さん、授業でお礼 繋中訪れ生徒に三味線

     
  鈴木絹子さんから三味線を教わる繋中学校の生徒  
 
鈴木絹子さんから三味線を教わる繋中学校の生徒
 
  盛岡市繋の宿泊施設に一時避難している釜石市大町の杵家弥多穂(鈴木絹子)さんは27日、盛岡市立繋中学校(川守田毅校長)で三味線の授業を行った。生徒は三味線に触るのも初めて。鈴木さんが開いている盛岡市の教室の弟子も駆け付け、生徒一人ひとりに持ち方や姿勢まで基礎から教えた。

  3年生の生徒11人が挑戦した曲は「さくら」。生徒は楽譜を見ながら少しずつ、弾き方を覚えていった。左手で三味線の弦を抑えながら右手に持ったばちで弦をはじいていく弾き方はなかなか難しい。首をかしげながら何度も挑戦する生徒がいる一方で、上手に「さくら」を弾きこなす生徒もいた。授業では鈴木さんらが平泉を目指す義経と弁慶が安宅の関を通る場面を三味線と唄で披露した。

  武蔵修明君(3年)は「すごく難しかったが、弾けたときの喜びがある。和風のイメージがあったが、楽しいイメージもついた。三味線の素晴らしさを知り、また機会があったら弾きたいと思った」、竹花優伽さん(3年)は「三味線は今まで経験したことがなかった。今回初めてやったがとても楽しかった」とそれぞれ感想を語った。

  現在、中学校では和楽器の演奏が授業の中に取り入れられており、同校でも昨年は琴の授業を行った。今回の三味線の授業は、一時避難に合わせて鈴木さんの孫が隣接する繋小学校に転校していたことから何かお礼にできることがあればと学校と協議して急きょ実現した。

  鈴木さんは授業で津波での被災の体験に触れ、自宅に保管していた三味線や道具を流されたことを語った。一方、三味線を弾くことで震災で沈んだ気持ちから徐々に明るさを取り戻したことも紹介。「何があっても頭の中までは持っていかれない。勉強、仕事もいいが、一生の中に何か一つでもライフワーク、目標を持ってほしい」と生徒にアドバイスした。


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