盛岡タイムス Web News 2011年 6月 30日 (木)

       

■ 〈お父さん絵本です〉361 岩橋淳 ぼくとパパ

     
   
     
  先週までは、買い物に行った先々で「おとうさん、ありがとう」の文字が店頭に躍っていました。「ほれほれ、あれ読んでごらん、声に出して」とムスコどもに促しますが、途中まで読みかけて(…、おっと、あぶねぇあぶねぇ)と気づくらしく、なかなかこちらのもくろみは達成されません。こうして年に一度の「父の日」は過ぎ去っていくのでした。

  さて今週の一冊は、密着度のきわめて高い、男の子とパパの物語。フランス人の作者が描く、いかにもフランス人という風貌のパパ。イラスト制作を生業としているらしく、仕事場は、自宅。その体型から「でかパパ」と呼ばれることは不本意のようですが、全体には「ぼく」には甘く、たとえ仕事を中断させられることがあったとしても、「ぼく」のリクエストには大体応えてあげちゃう様子です。

  「ぼく」には小さい弟がいて、ともにやんちゃ盛りなのは結構なのですが、何かと弟にママを独占されちゃう「ぼく」への気遣いもあってか、パパは「ぼく」の無理難題を聞いてくれたり、買い物に連れ出したりと、結構世話を焼いてくれる。…、もっとも、パパは「ぼく」同様、弟にママを独占されている様子で、それがゆえの連帯感、があるのかもしれません。

  それでも、「ぼく、おおきくなったら、パパになる」とは、泣かせるじゃあありませんか。

  【今週の絵本】『ぼくとパパ』S・ブロック/作、金原瑞人/訳、講談社/刊、1575円(1998年)。


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