盛岡タイムス Web News 2011年 9月 2日 (金)

       

■ 〈東日本大震災〉仮設住宅の建設業者がお膳立て 交流会で顔なじみになろう

     
  お楽しみ抽選会で盛り上がる大槌第9仮設団地の住民交流会  
  お楽しみ抽選会で盛り上がる大槌第9仮設団地の住民交流会  
  仮設住宅の建設に携わった建設業者らが、入居した被災者同士のコミュニケーションを深めるきっかけを作ろうと、施工した仮設住宅団地で住民交流会を開いた。阪神淡路大震災では仮設住宅での孤独死が問題化。その教訓から、仮設住宅団地には、できるだけ同じ地域の住民が集まるよう配慮されているが、顔見知りばかりとは限らない。団地の集会所や談話室も自主的に活用されるまでには時間がかかるため、交流促進に一役買うことにした。

  交流会を主催したのは盛岡市の建設会社タカヤ(望月郁夫社長)など関連業者で組織する出前リフォーム協議会(会長・望月社長、会員59社)。8月20日から28日にかけ同社が施工した釜石市、大槌町、山田町の5地区の仮設住宅団地で交流会を開いた。

  33社が協賛し27日に開かれた大槌第9仮設団地の交流会には、同団地に住む被災者ら約80人が参加。バーベキューや大抽選会を楽しみ歓談した。抽選会では、景品のくじを引いた入居者全員が自己紹介。「よろしくお願いします」と声を掛け合った。

  同団地は63戸。7月中旬から入居が始まった。8〜9割の入居を終えているが、まだ自治会はなく、団地内に設置された集会所もあまり活用されていないという。

  夫婦と母親の3人で暮らす黒澤重雄さん(62)は「団地には高齢者の一人暮らしが多い。途切れることなく声を掛けていくことが大事だ。集会所を開放し、活用するためにも自治会を早く立ち上げなければ」と話す。

  妻の優子さん(61)も「集会所に人が集まるようになり、手芸などができるようになれば、互いに誘いやすくなるのでは。先に立って、やってくれる人がいるといい」と願った。

  大槌川上流にある同団地は、町中心部から約5`離れている。マイカーを持たず、バス停までの歩行にも時間がかかる高齢者は、買い物、通院にタクシーを利用するため交通費もばかにならない。それでも「古里で見知った人に囲まれて過ごしたい」と、いったん身を寄せた県外の子どもの家を離れ、仮設住宅での暮らしを選んだ人も。

  岩崎キヨシさん(88)は「都会の子どもの家にいても、みんな勤めがあって日中は一人。知らない土地で、部屋に閉じこめられるより、知った人の顔を見ながら暮らしたほうがいい」ときっぱり。「みなさんの笑顔を見て、話をしたら元気になりました」と感謝した。

  交流会は、住宅の作り手の顔を見せることで、突貫工事による不安感を解消する狙いもある。望月会長は「工事を急いだので、不都合な部分があるかも知れない。気軽に相談してほしい」と呼び掛け、継続した支援を約束していた。

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