盛岡タイムス Web News 2011年 9月 12日 (月)

       

■ 〈幸遊記〉36 照井顕 石川章のピアノライン

 来週日曜・9月18日。恒例となった第5回「あづまね山麓・オータム・ジャズ祭」が、紫波・ビューガーデンの芝生広場で開催されます。

  出演は、東京や関西などから6バンド。地元岩手から3バンドの計9グループ。今年は大震災のこともあって、その復興支援チャリティーということになった。

  そんなある日、滝沢村のピアノ修復工房・石川ピアノラインの代表・石川章さんが開運橋のジョニーにやって来て「ジョニー・照井さんと一緒に仕事をしたい!何でも言って!やるからさ!手伝えることないですか!」と言ってくれました。

  僕はすぐさま「頼みたいのは山々だけれど、お金がなくて頼めないでいる、グランドピアノをジャズ祭の芝生のステージで使いたい」と伝えたら、彼は即「OK!」してくれたのだ。しかも白いピアノだという。

  客席となるグリーンの芝生の広場から見る芝生づくりのステージの向こうに広がる紫波町の田園風景、黄金に輝く稲穂と真っ白いそばの花、名産ラ・フランス(洋梨)の香りがただよってくるそのジャズ祭の会場に何と、ROSENSTOCKのグランドピアノを運んで来て、調律までしてくれるというのだ。しかも完璧ボランティア。ありがとうね。本当にありがとう。

  石川章さんはかつて、ピアノの運び屋さんだった。それが、あの阪神淡路大震災の時に現場を見てからというもの、2人の調律師からピアノの修理を教わり、何回も技術講習を受け、セシリアメソットを習得、以来数百台にのぼるピアノクリーニングや調整修理を手がけてきた。

  2006年にはなんと内閣府迎賓館所蔵の1908(明治41)年に宮内庁が購入したフランス・エラール社製グランドピアノ(1905年製)の修復を担当したのだった。

  「エラールはフランス人にとっては神のような存在の名器。そのピアノを日本人がきれいに直して再成させることは、フランスとの交流を深めるきっかけになるのでは?」と一歩踏み込んだ修復の必要性を頑固さと熱意を持って説明した結果の任命だったらしい。

  余談だが2007年、紫波・野村胡堂・あらえびす記念館のピアノを完璧に調整調音して録音した、ケイコ・ボルジェソンのCD「あらえびす」は和ジャズの名盤となった。
(開運橋のジョニー店主)

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