盛岡タイムス Web News 2011年 9月 15日 (木)

       

■ 〈お父さん絵本です〉371 岩橋淳 ボクちゃん らいおん

     
   
     
  自分で本を読めるようになってきた年頃の読者を想定した、絵本と童話読み物の中間スタイルの作品です。読みやすいお話に、ぜいたくにもオールカラー、たっぷりの挿絵。五つのお話が収められています。

  主人公、ライオンのこども・ぼくちゃんの、日常の一こまがつづられます。舞台がライオンや動物の街なのかと思いきや、周囲は、すべて人間。お互いに分け隔てなく暮らしているのが、ほほ笑ましいところ。

  靴をはきたいかかしとのふれあいを描く「ながぐつ」、おとうさんとおそろいの服を着て出かけた日のできごと「おさんぽ」、夕飯のおつかいをめぐっておかあさんも加わった「めんどくさいな」、おともだちからもらった花を枯らしてしまう「はちうえ」、おかあさんの看病に考えた心遣い「すいぞくかん」…。

  おとうさんライオンが「ことごとく」からんでいるところに、ご注目。おはなしの発端や転換点には、おとうさんとの散歩や、おとうさんへの相談。本来ならおかあさんとの密着度が高いであろうこの年頃の男の子を描いていながらのおとうさんの活躍が、ウレシイところ。少年前期、男の子特有の優しさが、ほのぼのと伝わってくる好編ぞろい。

  今回の刊行分に収録されなかったおはなしが、まだ他にあるらしいです。続刊を、期待。

  【今週の絵本】『ボクちゃん らいおん』村上しいこ/文、西村敏雄/絵、アリス館/刊1260円、(2010年)。


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