盛岡タイムス Web News 2011年 9月 16日 (金)

       

■ 〈潮風宅配便〉65 草野悟 島の越の被災レール

     
   
     
  このレール、きれいな台に鎮座しております。シリアルナンバー001と黄金プレートに印字されています。この001だけは会社の財産として残しました。

  3月11日、跡形もなく破壊された北リアス線「島の越駅」の津波に飛ばされたレールの一部です。

  三陸鉄道は、震災後地元のために一部運行ながら、復興料金として割引運賃としています。必ず復興するぞと社長、社員すべてが一丸となって復興に向けて取り組んでいます。どうやって収入を得て行くかも大きな課題となっています。

  そこで考えたのは、「島の越の被災したレールの販売」です。早速社員が動き、被災レールを集め、社員総出で5a、と10aに切断する作業に取り組みました。台座も器用な社員が材木から切り出して作りました。切った線路のバリをヤスリで削り、ひどい汚れを取り、さび止めを施しました。実に30日以上の重労働です。5aを100個。10aを100個製作しました。

  早速販売の開始です。三鉄のホームページとマスコミ各社にリリースしました。翌日から電話は鳴りっぱなし。半日で完売です。購入希望の東京の方が「線路を買うのではない。三鉄を応援するのだ」とうれしいお言葉。

  とにかく、三鉄は何か収入を得なければなりません。この被災レールもそのアイデアの一つです。自分たちの手で全て加工し、一切業者の手を通さず全て販売できたことで、社員の大きな自信にもなりました。

  三鉄の復旧には3年以上かかる計画です。なんとか来年の4月までには久慈と田野畑間だけでも復旧させるのが悲願です。それでも三鉄社員はすべてを補助金に頼っているのではなく、観光面も物産販売面も自分たちで稼げることはやろうと立ちあがっています。家族、親族、家屋を被災した社員も多くいますが、目が輝いています。きっと復活するだろうと期待しています。

  このレール、あまりにも反響が大きかったもので、次は南リアス線の被災レールの販売に取り組むことにしました。11月までには完成したいと、1bで50`ものレールを汗水たらして切断中なのです。貪欲に稼ぐ、いいじゃないですか。素晴らしい精神です。ガンバレ三鉄、またまた応援したくなってきました。(岩手県中核観光コーディネーター)


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