盛岡タイムス Web News 2011年 9月 20日 (火)

       

■ 中古住宅に引き合い 盛岡地域の不動産市場

 震災の影響で、盛岡地域の不動産市場では中古住宅の引き合いが増えている。仮設住宅や賃貸住宅への一時待避の動きが落ち着き、手ごろな不動産を取得して内陸に移住する動きが起きている。県宅地建物取引業協会などが県内の不動産業者を対象に行ったアンケートでは、今後の中古戸建住宅の需要を見込む業者が多かった。中古住宅のほか、中古マンションや新築戸建の取引など、長期的な生活基盤を求める市場の動きが活発化しそうだ。

  県宅地建物取引業協会の多田幸司会長は、「もともと中古住宅は震災にかかわらず人気がある。土地を買って新しい建物を建てるには3千万円前後が必要。その半分くらいで買える中古住宅は需要がある。今度の震災では沿岸部に住むか、内陸部の中古住宅を買うかとなれば、被災地に仕事を持って住み続けたければ沿岸部の中古住宅が求められる。しかし沿岸部は、あのような状況で、中古住宅が少ないし、仕事もなければ、この際内陸部に仕事を持ってこざるを得ない人も多い。そういう人が思いきって内陸で中古住宅を買う選択があり得る」と話す。

  沿岸部にはマンションが少ないため、生活様式に合わせて戸建てを求める人が多い。盛岡の親族を頼ってきた場合は、2世代住宅として広めの戸建てが求められている。

  多田会長は「中古住宅の戸建てが一番人気がある。手っ取り早いしマンションも結構数があるので、中古マンションに移行するお客さんも多いが、沿岸部には戸建ての感覚はあってもマンションの感覚はない人が多い。できるだけ、小さくても土地付きの中古住宅がほしいのは当然だと思う」。1500万円前後が多く、価格的に盛岡市周辺での引き合いが多いという。

  盛岡市のアート不動産(櫻井澄男社長)は、9月初旬で被災地からの照会で中古の住宅とマンションを7件成約した。同社営業部リーダーの西堀勉氏は、「最近わたしたちが仲介して賃貸した人からも3、4人は問い合わせがある。当初は木造では不安なのか、マンションの人が多かったが、その後は戸建てに移ってきた」と話す。価格的には1千万円から1500万円ほどのものが多かった。2世代、3世代の住宅は紫波郡で中古住宅を2件成約した。

  全日本不動産協会県本部の田屋慶一本部長は、「市内の分譲マンションも震災以降売れて、6割が沿岸からのお客さんだったという話がある。沿岸から離れられない人は別にして、自由に選択できる人は、内陸部に移る人が増えている」と市場の動向を見ている。

  紫波町のウエノ不動産管理の上野昌次社長は、「賃貸の借り上げも落ち着き、雇用も含めて内陸に永住の動きが増えている。中古物件は手ごろの物は売れ、条件の高い物は残っている。資金に限りがあり、価格的には1千万円ほど。土地も資金の裏付けがある被災者、中古でもある程度資産に余裕がある被災者の要望が多い」と話している。

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