盛岡タイムス Web News 2011年 9月 23日 (金)

       

■ 〈潮風宅配便〉66 草野悟 生き抜いた奇跡のビオラ

     
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  花々も一生懸命生きています。このビオラは、昨年10月に川井村の園芸業を営んでいる方から「三鉄のホームに」と200株いただいた最後の1本です。三鉄の社員がプランターに植え替え、長い冬を迎えました。12月には小さな花が一斉に開き、寒いホームが明るくなりました。

  その後です。年末から正月明けにかけ、猛吹雪、豪雪、強風と続きました。それでも必死に花を咲かせてくれました。それからの度重なる地震や雷、とうとう3月11日の大震災が襲いました。社員も花に手をかけるひまもなく復旧作業に取り組み、とうとうプランターの全ての花が枯れてしまいました。

  落ち着いてきた5月、長島重雄さんの花一杯運動でいただいたマリーゴールドなどが新しい花となりました。6月、そこに小さな芽が。生き残ったビオラが一輪、花を咲かせました。頑張ったのですね。気づきにくい隅っこにちょこんと咲いています。それから夏、そして震災半年後も小さなつぼみが繰り返し開花しています。よく見ると、このビオラさん、眉毛をつり上げ歯を食いしばり「まだまだ」とこぶしを振り上げているようです。かわいらしいですね。小さな命も生き抜いています。

  仮設住宅の暮らしは、報道で見られるようにさまざまな不具合もあります。引きこもって外へ出なくなった人たちも多くいるようです。無責任にはいえませんが、どうかこのビオラのように外へ出て太陽をいっぱい浴びてほしいと願っています。

  三陸鉄道も、来年の4月に久慈から田野畑の間を開通させるため、準備に入りました。今年の冬はどうなのか、厳しい寒さがまた来るのか心配ですが、きっと無事開通させてくれると信じています。一歩ずつですね。

(岩手県中核観光コーディネーター)

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