盛岡タイムス Web News 2011年 12月 1日 (木)

       

■ 壁土を木材に交換へ 盛岡市保全建造物の浜藤の酒蔵


  盛岡市商工観光部は11月30日、岩手川鉈屋町工場跡の歴史的建造物群で、市保存建造物に指定されている明治期の「浜藤の酒蔵」が腐朽化しているのに伴い、大幅な構造耐震改修を実施することを明らかにした。これによって現在の土塗り壁を木材の下地で代用するという。来年1月に環境審議会歴史環境部会で浜藤の酒蔵について変更の可否が議題になる予定。

  岩手川の建造物群は母屋、文庫蔵、浜藤の酒蔵、大正蔵、冷蔵庫棟で構成される。2008年実施の耐震診断の結果、蔵3棟の各4カ所で、文庫蔵1カ所を除いて、いずれも基準値を下回り、耐力不足と判明した。

  市はこれを踏まえ、土壁をできるだけ残すための構造的な現況、保存建造物の浜藤の外観変更に制限があるため外壁や屋根の状況を調査。各蔵の▽土壁の劣化状態、軸組材の腐朽状態▽基礎の状況(形状、材料)▽屋根瓦の老朽化状態▽地盤−の大きく4項目を実施した。

  その結果、浜藤は土台、柱、貫(ぬき)とも腐朽が著しく、土壁を落としてそれらを交換、補修して筋交いや構造用合板などで構造補強が必要という。土壁は新たに木材を下地に代用して現状の外壁形状を復元。モルタルを塗った上に漆喰(しっくい)仕上げをする考え。屋根の軽量化へ屋根土も撤去する。

  基礎部分については08年調査で土台が最大12・5a、土間が最大20aの傾きを計測。外観上も確認できるほどで基礎改修が不可欠だという。地盤は敷地内でも不均一な沈下を起こす層があり、十分な支持力のある地盤に届く支持杭を敷設して傾きを修正する。

  内容は30日の岩手川建造物群の活用に関する検討懇話会(座長・倉原宗孝県立大総合政策学部教授、委員8人)で説明された。前回7月の懇話会以降行われた土蔵の構造調査結果概要として紹介された。

  委員からは「土蔵ではなくなってしまう、もったいない」「何を持って保存(活用)というのか」「建物としての魅力が半減する」と心配する声が出た。「土蔵は木造とは違う。崩れてしまうのではないか」との指摘もあった。

  所管の市商工課は「価値を損ねるということではない。鉈屋町かいわいの発信地とするのが活用基本計画の考え方」と説明した。

  市は今年度中に建造物群の具体的な活用、施設の管理方法などについてまとめる考え。新年度から国補助を使った改修工事に着手。13年度末には活用を開始したい考え。


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