盛岡タイムス Web News 2011年 12月 2日 (金)

       

■ 待望の高速道全車無料化始まる インターはスムーズ

 
     
  全車無料化初日の盛岡南IC  
 
全車無料化初日の盛岡南IC
 
  岩手、宮城、福島の被災3県を中心とした高速道の全車無料措置が1日から始まった。県内の高速道路の車線には混雑が見られたが、料金所では被災証明を提示する必要がなくなったため、多くのインターで出車はスムーズだった。ただ青森、秋田県に向かうドライバーには戸惑いも見られた。運輸業界には乗用車の乗り入れによる事故の増加や旅客の減少を懸念する声もある。

  全車無料措置は3県の東北自動車道を幹線に、岩手県内では釜石道、秋田道、青森県の下田百石までの八戸道に適用される。宮城県では山形道、福島県では磐越道や茨城県までの常磐道に適用される。そのほかの青森、秋田、山形の3県の高速道は、被災地から待避していると認められた人以外は有料。ETC搭載車は乗用車が休日は東北全区間無料になる。

  東日本高速道路東北支社によると1日の盛岡IC|盛岡南IC間の交通量は午前0時から正午までで1万3300台で、前週木曜日の11月24日に比べて約300台増加した。

  同支社盛岡管理事務所の佐藤敏文総務担当課長は「変更により渋滞は減ると感じているが、実際にどうなるかは分からない」と話す。

  6月から始まった被災証明による無料措置では証明書や免許証を提示する必要があり、料金所を出車する際は1台ごとに時間がかかった。佐藤課長は「朝晩の通勤時間帯や休日は渋滞していたので、人を増やしていた」と話し、料金所には既に多めの人員を配置して、制度変更に臨んだ。

  盛岡IC、盛岡南ICなど主要インターでは休日は料金所前に長い渋滞が発生したが、全車無料により手間が省け、初日の1日は流れがスムーズだった。今後の土日や年末年始のラッシュ時の動向を注視している。

  紫波町の紫波サービスエリアに駐車した仙台市の主婦の松田知子さんは、弘前市の実家に帰省する途中、どこまで無料か確かめていた。「これまでも被災証明で乗っていて、父を見に1カ月か2週間に一度は帰るので便利になった。ただきょうは平日なので空いていたが、土日は混まないか心配。安代インターより北の料金がどうなるのか、どこに行けば分かるのか」と話し、変わりやすい料金に戸惑いを見せた。

  盛岡市の無職の石川和幸さんは「思ったより混んではいなかった。盛岡から北上に用があって乗った。特に用がなければ乗ることもない」と話していた。

  岩手県交通の城澤優次総務課長は、バス事業者の立場から高速道無料化について「交通量が増えるので定時性確保が難しくなるのではないか。若干、出入り口は通りやすくなるかもしれない。通行量が増える年末年始や連休は定時性の確保が課題。バス利用は高速道無料化の動きが始まって影響を受けてきた。震災後に新幹線がストップして一時的に回復したが、また震災前のように戻りつつある。無料化で仙台、東京方面の便は、マイカーに乗られると1%、2%ではない影響が出ている」と話す。

  県トラック協会の佐藤耕造専務理事は「交通量が増えれば事故件数が増えるかもしれない。これから冬場になり、今まで乗っていなかった人が乗れば心配される。無料化では岩手、宮城の業者にはメリットが大きいのではないか。経営的に助かっている業者が多い。民主党のマニフェストの無料化よりは限られているが」と話す。

  八幡平市の田村正彦市長は「無料化により高速道の渋滞が懸念されるが、観光客の増大が予想され、市観光協会でも期待しており基本的には良いことだと思う。JRへの影響は懸念されるが、これは企業努力で対応するしかない」と話していた。

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