盛岡タイムス Web News 2011年 12月 2日 (金)

       

■ 〈潮風宅配便〉76 草野悟 佐羽根悠々会から義援金

     
   
     

 三鉄宮古駅から3駅目に「佐羽根駅」という無人駅があります。駅の前には小さく美しい集落があり、海岸近くとは思えない奥山の感じです。春には農家の庭先から道路に至るまで、美しい花々が咲き、秋には360度囲まれた山々が風情ある紅葉となります。

  この駅のすぐそばに、予約があれば店を開く「悠々亭」があります。この主人中澤さんは、狩猟や釣りの名人で、店で出す料理素材の全てを山や川から調達します。

  熊汁などはまったく獣臭がなく「キャー」と叫んだお嬢さんも「お代り」と言うほど美味の極致なのです。鹿の燻製や前の川で釣ったヤマメのマリネ、月見草のおひたし、マツタケとマイタケの入った炊き込みご飯など、思い出しながらヨダレです。

  この悠々亭に集まる趣味を同じにする「悠々会」が「三鉄ガンバレ、被災地ガンバレ」と秋まつりを行いました。村の人たちが会場を作り、熊汁、鹿汁のほかマツタケおにぎり、手作りクッキー、陶器や電化製品のミニバザール、そして村のおばあちゃんが野菜何でも100円、栗もおそろしく入った大袋が100円と価格破壊です。

  応援には津軽石伝統さんさ踊りのチームまで駆けつけてくれ、沿岸の山奥がひととき、大にぎわいでした。その売り上げの全額を持って、悠々会のお二人が三陸鉄道に来てくれました。「少ない金額ですが、どうぞ三鉄のために使ってください」と。うれしいですね。
     
   
     

  決して少ない金額ではありません。何よりも売り上げの全額を寄付ですから、頭が下がります。三鉄望月社長も「グッときてしまった」と涙声です。

  三鉄の不十分な運行で、佐羽根にはお客さんが震災後来なくなりました。道路は複雑で遠いためです。望月社長「必ず復旧させます」とお約束。こうした三鉄とともに生きる高齢者の集落が沿線にはたくさんあります。ご不便をおかけしています。お気持ちはしっかりと三鉄社員に届きましたよ。
(岩手県中核観光コーディネーター)


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