盛岡タイムス Web News 2011年 12月 5日 (月)

       

■ 〈幸遊記〉48 照井顕 五木寛之の歌の旅人

 それは9月25日(2011年)の朝方だった。店を終えてから、女房の運転する車で“たたら清水”を50gくみに行き、店に運んでから紫波の自宅に帰る途中、AMラジオから流れてきたのは、作家・五木寛之さんの“歌の旅人”の第5回・岩手編だった。

  盛岡の話から、川の話になり、そして「北上夜曲」が芹洋子の歌で流れてきた。作詞作曲の二人菊池規・安藤睦男。そして石川啄木・宮澤賢治などの話に及んでEPOの“星めぐりの歌”が流れてきたあたりで車は家に到着した。僕はかなり酔っていたこともあって、車から降りずに「このままラジオを聴いている」と女房に言い、なんとそのまま寝てしまった。

  車のドアが開く音で目覚めると「五木さんがジョニーのこと、話してくれてたの聴いた?」と女房の声!「もしかしたら、しゃべってくれるかも!」とどこか期待をしてたのに、何と眠って聴き逃したとは!“トホホ…”の僕。後日、店に来て「五木さんのラジオ、興奮しながら聴きましたよ」と言った八戸のファン客・福村勝悦ご夫妻の報告もうれしかった。

  あれから2カ月「本のくずおか」で手にした「ラジオ深夜便」の12月号。皆が言う細やかな話や「ジョニー」などという固有名詞は載ってませんでしたが「岩手と言うと、土俗的な雰囲気が強いように思われますけど、たとえばジャズ喫茶がたくさんあったり、ジャズピアノの大御所・穐吉敏子さんをアメリカから呼んで、大きなコンサートをやったり、エネルギーにあふれたところなんです」とあった。

  「それを“縄文ジャズ”と呼んでいました」と五木氏。そうだった、僕が氏の作品“海を見ていたジョニー”を坂元輝トリオの演奏でレコード化した1981年、氏はそのライナーノーツに「幻想としての縄文ジャズ」と題し、「日本という土地は世界中の文化のゴミタメである」に始まり「この新しいレコードを繰り返し聴いている。そこに列島1万年の縄文人のリズムが流れているのを感じながら」と書いてくれたのだった。今年6月に再々発売されたCDのライナーを読み返してみた。
  (開運橋ジョニーの店主)


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