盛岡タイムス Web News 2011年 12月 11日 (日)

       

■  〈写真集「南部馬の里」〉33 遠藤広隆 「転倒」

     
   
     
  七戸での競りもすべて終わり、みんなが帰り始めていた。駐車場のトラックの荷台で馬が横になって、もがいている場面に出くわした。

  荷台に載せられ、横に渡された棒に手綱を結んだあとで暴れたらしい。横棒に結ばれた綱が短すぎて自分では立ち上がれない。頭をつられた状態で、脚を引き綱にかけている。

  運転手は「しょうがねえな」と言いながら、結んだ綱を解こうとしている。係員たちはその様子をじっと見詰めていた。

  馬が暴れる理由は恐怖感。パニックになったのだろう。自分が乗ってきたトラックとは違ったのか、それとも自分の厩舎に帰るのが嫌なのか。これからの行き先が自分の知らないところだと予感するからか。首を曲げた馬の目が、こちらをすがっているようにも見えてきた。

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