盛岡タイムス Web News 2011年 12月 16日 (金)

       

■  〈潮風宅配便〉78 草野悟 沿岸の「食産業振興」を応援

     
   
     
  実に力強い応援隊ができました。(社)日本のこころの組織である「ソウルオブ東北」という支援団体(岡部泉代表)が「岩手食産業復興プロジェクト」という年間を通した応援体制を作ってくれました。私は「三陸鉄道を勝手に応援する会」を代表して、このプロジェクトのプロデューサーに就き、一緒に三陸沿岸各地の「美味(うま)いものづくり」に参加します。

  日本を代表する一流の料理人さんたち70名が無償協力です。毎回4、5名が参加し、その土地の誇りの食材を使って、新しいレシピを作ってくれます。現地に自腹で足を運んでくれ、そのレシピを作ってくれますので、実にありがたい企画なのです。

  11月28日、大槌漁協の定置網が復活するというので、「おらが大槌復興食堂」へシェフと一緒に出かけました。京都料理の大御所「たん熊北店の栗栖さん」「東京かすみの野永さん」「京都・天喜の石川さん」「京都・木乃婦の高橋さん」、超ど級の料理人4人です。

  とにかく、すばやい、丁寧、無駄なし、の動きに圧倒です。もちろん大槌の鮭料理に刺激を与える「味噌(みそ)漬け風腹子飯」と赤武酒造の酒かすを使った「鮭の酒かす汁」の絶品さは、食べている最中に舌が「虎舞」を踊ってしまうほどです。

  日本橋ゆかりの野永さん「これだけひどい現実を見て、何もできない無力感を感じますが、私たちにできることは料理を作ることだけです」と泣かせますね。十分すぎる応援です。

  もっと感心したのは「作る」だけではなく、準備と後片付けです。終了後寒風吹きすさむ中、栗栖大将を先頭に、もくもくと使った道具の片付けに2時間。ピカピカにして帰りました。木乃婦の高橋さん「材料の仕込み、片付けに8、料理が2、です。それができないと料理は美しくなりません」と。

  ふと思い出したのが私のデスクです。膨大な資料や本の山が無造作に積まれています。「どこに何があるかすぐわかる」と豪語してきましたが、間違っていました。でもきっとできません。一流の上の一流のすごさを見せていただきました。

  次の場所は「山田の牡蠣(かき)料理」です。京都へ山田町自慢の牡蠣を送り、新しい料理を創ってもらいます。想像しすぎて口の中はよだれで満杯です。楽しみですね。

  沿岸の破壊は回復不能と見られていますが、「食文化の復興」こそ、新たな観光資源と同時に、地域の産業に勇気を与えます。沿岸各地をこれから1年間回っていきます。順次スペシャルメニューをご紹介していきます。もちろん食べるのは私ですが。素晴らしい役目にうっとりしています。
(岩手県中核観光コーディネーター)

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