盛岡タイムス Web News 2011年 12月 27日 (火)

       

■ 〈イタリアンチロルの昼下がり〉138 及川彩子 縁起物あれこれ

     
   
     
  先日、学校帰りの子どもたちが、歩道に落ちた街路樹のマロニエを拾い集めていました。聞くと、「風邪の予防だよ」とのこと。マロニエは有毒で食べられませんが、イタリアでは、古くから「マロニエの実をポケットに入れておくと風邪をひかない」と言われているのだそうです。

  また、遠くから救急車のサイレンが聞こえるたびに、椅子の鉄パイプにしがみ付く子どもたちのしぐさには大笑い。「サイレンが鳴り響く間に、鉄に触ると幸せがくる?」これもイタリアの言い伝えです。

  世界各国どの家庭にも、1つや2つ縁起物があります。ヨーロッパでは、卵・フクロウ・四葉のクローバー・テントウムシ・馬蹄・サイコロなどが知られます。

  復活祭になると、街中にあふれる卵型の飾りは繁栄の象徴。「フクロウ」は、ギリシア神話では首都アテネを守る知恵の神、ローマ神話では哲学の神とされています。「四葉のクローバー」は十字架、「三つ葉」はキリストの三位一体。「テントウムシ」は、聖母マリアのお使いで、体に留ると幸せになれると言われます。

  「馬蹄」は、古くから魔除けとされ、U字を上向きにすると運が転がり込み、下向きにすると運が逃げてしまいます。そして「賽は投げられた」の名セリフを残したローマ皇帝シーザーのサイコロは、運命の象徴であり、災難除けなのです。

  イタリア特有のお守りと言えば、コルノ(角)。悪魔と対峙(たいじ)する動物の角は、災難から身を守る意味があり、またイタリア料理に欠かせないぺペロンチーノ(唐辛子)に形が似ていることから、真っ赤な角のモチーフは、イタリア土産のナンバーワンです。

  年末年始に欠かせないのが「レンズ豆」〔写真〕。イタリア版おせち料理で、形が金貨、煮ると2倍に増える縁起物です。クリスマスの後、新年の食卓でレンズ豆を頬張る…庶民の願いは、イタリアでも変わりません。

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