盛岡タイムス Web News 2012年 2月 9日 (木)

       

■ 雇用保険受給者減少、震災後初めて前年同月下回る

     
  盛岡公共職業安定所の雇用保険の窓口  
 
盛岡公共職業安定所の雇用保険の窓口
 
  岩手労働局によると、盛岡公共職業安定所管内の昨年12月の雇用保険受給者実人員は2644人で、震災後初めて前年同月を割り込んだことが分かった。管内の雇用保険受給者は昨年4月から急増し、地域経済の混乱や事業所の閉鎖などにより、6月は3700人の大台に乗った。その後は復興需要による雇用情勢の好転を受け受給人員は減少。11月までは前年同期を上回っていたが、12月は有効求人倍率の好転を反映し、前年同月を下回った。一方では震災特例による雇用保険の給付延長が切れる受給者が出始めており、労働行政ですくい上げられない求職者の増加も懸念される。

  同局によると、昨年の県内の雇用保険受給者実人員は3月の7361人が、震災により4月は1万2780人に急増し、5月は1万5617人、6月は1万6536人のピークに達した。その後は徐々に減少に転じ、12月は1万1227人に落ち着いた。同月の県内有効求人倍率は0・71倍に上昇し、11年ぶりに全国と並び、情勢は好転している。

  雇用保険受給者実人員は昨年4月以降、沿岸の4安定所管内が県内の半分以上を占めた。盛岡管内も11月まで8カ月間、前年同月を上回ったが、12月は前年同月を52人下回る2644人となり、改善傾向は続くと見られる。

  岩手労働局職業安定部職業安定課の熊谷一郎地方労働市場情報官は、「雇用保険の受給者は震災後、数が大きく上がり、その後は徐々に減って現在は前年とほぼ同じ水準になっている。皆さんが最後まで受けるとは限らず、新たに就職したり元の所に戻ったりしている」と話す。

  盛岡公共職業安定所の菊池利之雇用保険給付調査官は、「新たに離職する人は減っているが今後、被災者の中で雇用保険が切れる人が出てくる。本人が希望している常用雇用に対して、臨時雇用が多かったり、今まで水産業をやっていた人にがれき処理の仕事などミスマッチがあるなどと言われている」と話し、雇用保険受給者が適職に就けるよう関係機関とともに努力している。

  同安定所で昨年まで雇用保険を受給した盛岡市の44歳の男性は、2010年に会社が倒産したあと8カ月間、給付を受けた。「雇用保険はすぐ出て、月2回は面接を受けるなどしたが、あまり良い職が見つからない時期だった。8カ月たって雇用保険が切れるので、早くどこか決めなければと思っているとき地震が起きた。就職どころではなくなり、身内が宮古で被災したり、タイミングが悪かった。そのあとはパソコンを習って就業訓練しているが、経験者を求める会社が多く、なかなか厳しい」と話していた。

  復興需要のある建設の関連業界からは、このような声も聞かれる。盛岡市の日建リース工業盛岡支店の向中野成幸支店長は、「昨年8月から募集をかけていても、なかなか決まらない。失業手当があるうちは埋まらないのかとも思う。仕事をして給料をもらうのが本来は一番楽しいはずなのだが、被災地では家族を亡くした人が多く、働きがいや張り合いを失い、なかなか本当の一歩を踏み出せないでいるのかもしれない」と話していた。


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