盛岡タイムス Web News 2012年 2月 17日 (金)

       

■ 〈潮風宅配便〉86 草野悟 応援してるニャー

     
   
     
  三陸鉄道の宮古駅に着任している「宮くん」と「古ちゃん」です。受験勉強をしているのではありません。三鉄の電車に乗って通っている学生さんたちを応援しているんです。とても寒いホームに立ち、泣き言一つ言わないでつぶらな瞳で電車から降りてくる学生さんたちを見詰めています。「頑張ってくれニャー」「へこたれるんじゃねえニャー」と。

  当の学生さんたちは、照れくさいのか、チラッと横目で見ただけで素通りしていきます。岩手の子供たちの奥ゆかしさ、それでもサンマを両手に持って、「合格したら宮古のサンマをご馳走するニャー」と応援です。

  受験の学生さん、被災して再就職しようと資格を受験する人たち、簿記試験に神頼みする三鉄社員さん、ぜーんぶまとめて応援しています。

  気持ち一つに復興に向けて取り組んでいる皆さん、誰も立派です。合格です。あの日から1年を振り返りと、連日マスコミで目を覆うような映像が流されています。思い出したくない人、振り返って立ち向かう人、時間の止まってしまった人、一歩ずつ歩み始めたおばあさん、長くて短い月日が経ちました。

  復興には様々な思惑が入り乱れます。絶対海には戻らないという人、やっぱり海から上る朝日を見て暮らしたいという人、有名になりたい人、真実の言葉で埋まった詩を書いた人、史上空前の大型予算に群がる人々、パチンコに義援金を使ってしまった人、それぞれの道があります。

  みんなの笑顔が戻るまで、宮古の猫駅員さんたちはずっと身じろぎもせず見詰め続けます。「笑顔をつなぐ…ずっと」。三陸鉄道のキャッチフレーズです。(岩手県中核観光コーディネーター)


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