盛岡タイムス Web News 2012年 2月 24日 (金)

       

■ 〈潮風宅配便〉87 草野悟 西和賀の皆さんの気持ちは届く

     
   
     
  2月12日、恒例となっている「西和賀を愛でる会」に参加しました。若かりしころ、西和賀の豪雪を必死で除雪し、現在の除雪の基礎をつくった竹内重徳さんが中心の会です。

  竹内さんは「三陸鉄道を勝手に応援する会の顧問」でもあります。仲間20名が三々五々「対滝閣」に集まり、夕方雪灯りの点灯式に向け出発です。

  案内は和服美人の若女将です。さすがに大豪雪地帯、舞い降りる雪でたちまちコートも、頭も真っ白です。細井町長さんも参加しました。北上商工会議所の中村会頭さんも仲間です。

  なぜこの方々の名前を書いたのかといいますと、震災後飛ぶように売れている三陸鉄道の商品「きっと芽が出るせんべい」に関係があるからです。

  中村会頭さんの会社の一つ「釜石のアジテック ファインフーズ」の発芽玄米を使用し、細井町長さんが三鉄のためにパッケージデザインなどを協力してくれました。製造工場は西和賀のサンタランドです。せんべいの材料は、釜石の発芽玄米、宮古の昆布、川井の雑穀など沿岸食材です。山と海が協力し合って創ったせんべいが「きっと芽が出るせんべい」です。

  中村会頭さん「会社のもうけなどはまったく度外視です。この大震災をこうして結いの心でやっていくことが大事ですよね」と、うさぎのような優しい目で微笑みながら話します。

  今年の雪灯りの作品は、宮沢賢治がテーマです。雪空に浮かぶ銀河鉄道、車中は温かな光に包まれ、今にも走り出しそうです。三陸鉄道の島の越駅には、大津波に負けずに残った宮沢賢治の碑が残っています。島の越駅のわずかに残った階段が、残しておきたい震災遺産(ジオサイト)に認定されました。その隣に賢治の碑があります。

  西和賀の雪灯り、町中に温かなろうそくの光がともっています。札幌の雪祭りのような大規模なものでは決してありませんが、心にしっかりと届く優しく柔らかな光、西和賀の皆さんの気持ちがきっと被災地にも届きます。
(岩手県中核観光コーディネーター)

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