盛岡タイムス Web News 2013年  7月  16日 (火)

       

■  〈高校野球〉試合を決めた伏兵 盛岡商の代打の切り札 幅裕希君(3年)


     
  好走塁で逆転のホームにかえる盛岡商の幅君  
 
好走塁で逆転のホームにかえる盛岡商の幅君
 

  1点を追う最終回、盛岡商の攻撃。中前打で出塁した吉野和人主将(3年)を犠打で二塁に送り、1死二塁。この場面、先発の千葉恭平君(同)の代打に幅裕希君(同)が送られた。意地の一打がチームを同点に導き、さらに自らの走塁で勝利をもぎ取った。

  幅君は直球以外、眼中になかった。2ボール1ストライクからの4球目、真ん中高めの直球を強振し、左前打とした。「あいつは打つ」と塁上で確信していた吉野君は、一戸の左翼手が打球処理にもたつく間に一気に本塁へ突入。幅君も二塁へ進み、塁上で両手の握りこぶしを高く掲げ、叫んだ。

  幅君の見せ場は打撃にとどまらない。続く小笠原卓也君も左前打を放ち、幅君は一目散に本塁に突入。全速力の幅君は相手捕手をかいくぐり、左手で本塁に触れ勝利をつかみ取った。「走塁は得意というわけではないんですけど」と幅君は試合後、照れ笑いを見せながら語った。

  「最後の夏を前に、スタメンになれなかったときは悔しかった」。その後、気持ちを切り替え必死に練習を積んだ。校舎新築に伴い練習場所が限られる中、ネットに囲まれた狭いスペースでひたすらに打撃を磨いた。自慢の打撃に磨きをかけ、一振りで試合を決める「代打の切り札」として復活した。

  この試合では好打、好走塁に加え、9回裏には三塁の守備にも就いた幅君。守備機会はなかったが、大きな声でこの回から登板した上野俊輔君(3年)を盛り立てた。「次の試合はスタメンに返り咲いて、いっぱい打ちたい」と意気込んだ。
   (佐々木貴大)
  


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