盛岡タイムス Web News 2013年  7月  17日 (水)

       

■  〈日々つれづれ〉180 三浦勲夫 掃除


  男女雇用機会均等、性差解消ということで新しい男女間の仕事や立場の在り方が模索され、変化している。身近なところでは、家庭内の仕事を男性が行い、家の外での仕事を女性が行うことも奇異でなくなっている。掃除、育児、洗濯、炊事、庭仕事、などなど。夫婦が手分けをして分担しあう。

  自分は小学校、中学校で「家庭科」や「職業家庭科」を学んだ。学生時代に少しは自炊、洗濯、掃除、買い物などをした。しかし自炊の仕事は上手ではなかった。あまり好きになれなかった。自然、外食が主になった。今、家で家人が手際よく料理、洗濯、草取りなどをこなす姿を見て、「さすが」と思う。こちらがやることは掃除と、食器の仮洗いくらいである。家庭内と家庭外の仕事をこなすことは二刀流、大げさに言えば万能人である。

  ルネサンス期の万能人といえばレオナルド・ダビンチが科学も芸術もこなした。ルネサンス、即、人間再生である。彼ほどの天才でなくとも家庭内と家庭外との仕事をこなせれば、男女機会均等時代の「ルネサンス」人である。それを目指す人たちはこれから増すだろうし、その傾向は強まるだろう。

  夫婦二人三脚の一方が欠けたら、残る一人は当然生活が変わる。当面は家事だろう。そして自由時間の過ごし方など、対応を迫られる。そのことを考えれば、以前から十分心掛けをしなければならない問題である。掃除も年数を重ねれば要領を覚え、時間が短縮される。このくらいなら20分、このくらいなら40分、と時間の見当もつく。掃除以外のあらゆる面でも時間感覚が良くなる。時間感覚が良ければ認知症もかなり予防できると、ある広告にあった。信ぴょう性は分からないが、時間感覚が良いに越したことはない。その上、手を動かす仕事は脳を活性化する。炊事はとてもありがたい仕事である。

  育児と言えば親が当たる仕事だ。私らも育児に追われた時代があった。そしてその前は、自分が親に育てられたわけだ。育児作業は世代を追って伝承される。親には感謝あるのみである。その感謝を子どもに返していく。これで自分もいっぱし、炊事ができればいいのだが。それができないから、してくれる人に感謝し、その分、外での仕事に当たる。互助の精神である。二人で外出して食事もする。

  梅雨が明ければ暑い夏だ。大きな帽子をかぶって、伸びた木の枝を切らねばならない。どうやら自分が当たることになる。年々枝が伸びて塀の外にはみ出している。少しずつ続けてできるところまでやろうか。一気に全部は無理だ。無理を通せば道理が引っ込む。ハチの巣もあるようだから、慎重に。などと考えて幾分緊張している。

  さて、けさは早めに掃除をして気分さっぱりで外に出た。8時50分から朝一番の仕事がある。明日も朝が早いから早めに掃除を終えなければならない。こういうときは40分の作業は無理で、20分作業でいく。朝が早くても朝の炊事は欠かせない人がいるではないか。そう書いて思い出すことがある。テレビ番組で夫婦の円満の秘訣について語っていた。夫が妻を褒めますか? 妻が夫を褒めますか? なかなかできないのが一般らしい。しかし家事を分担すれば「ありがとう」と互いに言いやすい。
   (岩手大学名誉教授)


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