盛岡タイムス Web News 2013年  7月  22日 (月)

       

■  参院選岩手選挙区開票 平野氏が3選 現職が政党候補抑える 自民追い風も悲願ならず 民主生活 分裂で後塵を拝す


     
  3選を果たし、バンザイ三唱する平野達男氏と陣営幹部たち。右から二人目が慶子夫人  
  3選を果たし、バンザイ三唱する平野達男氏と陣営幹部たち。右から二人目が慶子夫人
 

  第23回参議院議員通常選挙は21日投開票が行われた。与党が圧勝し、安倍政権が訴えてきた衆参ねじれが解消された。昨年12月の衆院選に続き自公が2連勝。政権批判の受け皿となるべき野党間の共闘は決裂、分散した。東日本大震災津波からの復興やアベノミクスの賛否、憲法改正や消費増税、TPP参加、原発問題など重要課題が争点化しなかった。こうした中、全国的な注目区となった岩手選挙区(改選1)は昨年7月の民主党分裂後の県政界流動化に伴い、過去最多の6人が立候補。結果は無所属現職の平野達男氏(59)が24万3368票を獲得し、3選を果たした。21年ぶりの議席獲得の好機だった自民党は次点に泣き、分裂した民主党、生活の党は後塵(こうじん)を拝した。県政界は流動化の要素をはらんだまま、選挙は幕を閉じた。

 平野氏は現職2期12年の実績と知名度を背景に、民主政権時代に震災後は復興相などを務めた経験から「復興最優先」を掲げて戦った。対する自民党新人の田中真一氏(46)を引き離して三たび当選した。県選出の参院議席では、故・椎名素夫氏以来15年ぶりの無所属当選となった。

  民主党離党・除籍騒動後、一度は不出馬のうわさもあったが、5月連休明けから再始動。地元北上市の同級生らのグループが「いわて・絆の会」を立ち上げ、支援を表明。平野氏に呼応して離党した党県連の県議OBがいたほか、現職も一部が追随。離党してまで支援を打ち出す者も出た。

  さらに地域政党いわてが支援を表明。今回初めて国政選挙に主体的に乗り出した。

  取材では盛岡地域で表立って平野氏を支持する一般有権者はいなかった。企業団体など組織的な支援は終盤まで不明なままだった。一方、盛岡タイムス社実施の電話調査では平野氏が田中氏を8ポイント上回る支持を得ていた。

  当初から有権者の関心が低調だったため、候補者が過去最多となり、新人は終始知名度不足だった。平野氏は現職として優位に立ち、民主党離党で結果的に他の政党支持者や無党派層も支持しやすくなった面がある。

  自民の田中氏は党県連の公募で4月に選考され、公認を受けた。安倍政権の高い支持率という追い風、四分五裂した「小沢王国」の敵失を背景に21年ぶりの県内参院議席奪回へ最大の好機を迎え、「日本と岩手の政治のねじれ解消」を旗印に陣営も活気づいた。

  党本部も全国31ある1人区で沖縄と並んで議席獲得が微妙な重点区と位置付け、公示前後から安倍首相はじめ党幹部や閣僚、同OBを大量に投入する異例のてこ入れ。田中氏は県外からの、いわゆる「落下傘」候補だったが、岩手とのゆかりを強調するなどしてイメージ払しょくにも取り組んだ。

  どちらかといえば「空中戦」が中心で、党支持層も平野氏に流れた。分裂した民主党の3陣営がしのぎを削る中、これまでの党の得票も拡散。落下傘を応援しにくい岩手の地域性もあり、前回2010年参院選より減らす16万1499票に終わり、悲願達成の好機を逸した。

  生活の党新人の関根敏伸氏(57)は小沢一郎党代表率いる「王国」グループとして県議を辞して立候補。平野氏と同じ北上市出身で地元候補を強調しながら「地方が主役の改革の政治」などを訴えた。小沢代表や達増知事がてこ入れを図った。候補6人中最後の出馬で出遅れ感が否めず、知名度不足も響き、「王国」の存亡を懸けた戦いは9万1048票と振るわなかった。

  民主党新人の吉田晴美氏(41)は、平野氏離党に伴い県外から擁立された「落下傘」候補。昨年衆院選で勝った階猛県連代表、黄川田徹選対本部長とともに、復興で女性の視点からソフト面を担うと標ぼう。海江田万里代表、細野豪志幹事長ら党幹部が応援に入り、支援する連合岩手の組織内比例候補と連携したが、6万2047票に終わった。

  共産党新人の菊池幸夫氏(54)は自公政権への対決姿勢を強く打ち出し、東京都議選で倍の議席を獲得した勢いで組織的に活動。比例代表と連動して戦い、前回から得票を伸ばし4万6529票と善戦した。

  幸福実現党新人の高橋敬子氏(51)は地元出身を生かし、国防など独自の政策を訴えたが、大敗を喫した。

  21日現在の有権者数は109万901人(男51万7050人、女57万3851人)で、選挙区の投票率は57・53%と前回60・36%を下回った。


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