盛岡タイムス Web News 2013年  7月  28日 (日)

       

■ 〈ジジからの絵手紙〉42 菅森幸一 「カンッカ突き」

     
   
     

 「ざっこ釣り」と「カンッカ(鰍・かじか)突き」は、ジジたちが大好きな実益を兼ねた遊びの双璧だった。カンッカは水のきれいな玉石の多い急流を好むハゼによく似た魚だ。空揚げやカンロ煮にするととてもうまい。

  「ガラス箱」で水中をのぞき「ヤス」と呼ぶモリで突いて捕獲する。川の流れに逆らいながらの漁だから体力の消耗も半端ではなく、いきおい夏休みや休日限定の漁となる。

  盛岡を貫流する中津川にもカンッカはいっぱいすんでいた。カンッカがいない赤茶けた色の北上川が縄張りのジジたちは、夏休みはほとんど中津川に日参した。朝早くから今にも崩れ落ちそうなボロッチイ「御厩橋」の手前で川に飛び込み、終日、必死に魚影を追ったものだ。

  しかし、一日中太陽に背中を向けての作業だから、獲物が多いとついつい夢中になり、無防備の背中や首筋が真っ赤に焼け、今で言う熱中症になることも少なくなかった。カンッカ突きに挑戦した者は大抵一度はこの悲惨な体験に泣き、これを教訓に一人前のカンッカ突きに成長していったんだよ。


本ページ掲載内容の無断転載を禁じます
ホームページに関するお問い合わせ、取材に関する情報は
E-Mail:hensyuu@morioka-times.com
盛岡タイムス宛てにお願いします