盛岡タイムス Web News 2013年  9月  3日 (火)

       

■  安全へ代執行も 盛岡市 空き家対策で条例制定へ 所有者責任を明確化


 盛岡市は、今後増加が予想される市内の空き家などの適正管理を図る条例の来春施行を目指している。管理が不十分で雑草や病害虫などの発生、倒壊する危険性など市民生活への影響が問題視されている。このため所有者の責務、市の責務や立ち入り調査の権限を明記し、勧告・命令などに応じない所有者名・住所の公表、ひいては代執行や安全上の応急措置など強制力の高い内容が盛り込まれる見込み。10日から市民意見の募集も行われる。

  市都市整備部によると、市内には管理が行き届かず倒壊の恐れがある空き家、雑草が繁茂して害虫が繁殖する空き地などがある。市は市民からの相談に応じて雑草、樹木の管理マニュアルをつくって、適正な措置を講じるよう所有者らに依頼している。

  2012年度に市関係各課へ寄せられた相談は80件。火災や犯罪の温床、倒壊、ハチの巣などに関する被害や不安の声だった。

  しかし、現行は約3割で所有者が不在・不明だったり、相続などの権利問題や解体費など経済的な事情があったりして、管理が不十分なまま放置されている。市として十分に対応できていないのが実態だ。

  少子高齢化や人口減少などで管理が不十分な空き家・空き地が増加し、市民生活に影響を及ぼすことが予想される。市は積極的かつ実効性の高い対策を講じるため条例を制定する。既に全国で30を超える都市で制定されているという。

  このため市民意見募集を踏まえて条例案をつくり、市議会12月定例会に提出。議決され次第、制定される。約3カ月間の周知期間を経て14年4月から施行される見通し。市は施行後、市民から寄せられる相談が3桁台に達すると見込んでいる。

  条例は空き家などの所有者の管理責任を明示。適正管理を主体的に行うよう市が助言・指導する。従わない場合は勧告、命令、公表の順に措置を講じる。それでも所有者が応じず、公益に反すると認められれば市が代執行の権利を行使する。経費は所有者負担。

  市の責務も明記され、それぞれの措置で必要な範囲内の立ち入り調査権も付与される。同時に倒壊など近隣の市民への被害発生が切迫した状態にある場合の被害拡大防止、予防のための応急措置にも言及している。

  代執行は、憲法第29条の財産権保障の制限にもつながる。市は同第12条の公共の福祉実現の観点で市民の生命、身体および財産を保護するため、強制力のある措置を講じることができる内容を盛り込むこととした。

  空き家に関しては適正管理・措置として解体費用や相続、税制などの問題があり、市関係18課にまたがっている。実効性を高めるためには全庁的な対応に加え、主管部署を決める必要もある。

  市民意見の募集では、条例概要や制定の必要性、基本的な考え方なども含まれるという。意見の応募期限は10月9日まで。


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