盛岡タイムス Web News 2013年  9月  8日 (日)

       

■  〈ジジからの絵手紙〉45 菅森幸一 洗濯


     
   
     

 かつて洗濯は盥(たらい)に水や湯を張り、洗濯板でゴシゴシこすり洗いをし物干しざおに掛けて乾かすのが普通で、今のように一度に大量の洗濯物を処理する事は不可能だった。だから毎日小まめに洗濯をする必要があり、わが家でも母さんは毎日洗濯をしてたような気がする。

  木綿や麻や絹物等の着物などは「洗い張り」といって、全部解いて元の反物状にして洗う。洗いあがった布に数a間隔に両端に針を差し込んだ細い竹の棒の「伸子針(しんしばり)」を張る。布幅が縮まらないようにするためで、その布を両端から強く引っ張って乾かす。半端な大きさの布切れは「張板(はりいた)」に張って立て掛けて乾かす。このような情景は和服の衰退と電気洗濯機の普及によって見られなくなったんだ。

  この張板はジジたちにとっては絶好の滑り台で何度叱られても懲りずに、滑りを良くするためにろうそくを塗っては母さんを激怒させ、伸子針を持ち出しては、それを投げ合う危険な手裏剣ゴッコをしているところを父さんに見つかり、遊んでいた全員が思いっきりブンなぐられた苦い記憶もある。


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