盛岡タイムス Web News 2013年  9月  10日 (火)

       

■  〈幸遊記〉140 照井顕 佐藤靖の国際ニュース


 47歳の誕生日前日(1994年4月19日)、僕は、それまでの20年間、陸前高田での500回余りのコンサート主催にピリオドを打った。その最終回となった無料コンサートに出演してくれたのは、1980年に僕のレコードレーベル、ジョニーズ・ディスクからデビューし大活躍中のドラマー「バイソン片山」さんだった。

  そのことを、全国ニュース、さらに国際ニュースとしたのは、朝日新聞大船渡支局に同年4月に赴任したばかりの東京出身の佐藤靖さん(当時30)だった。次に彼が報じたのは同年10月21日付「ジャズの友情演奏」。ニューヨーク在住のピアニスト・穐吉敏子さん(当時64)が、ライブ活動で赤字を抱えた僕を応援するために陸前高田ジョニーにやってきて、「ご奉仕です」と言って演奏し、出演料の40万円を僕にプレゼントした記事。これまた国際ニュースとなって、記事を読んだというカリフォルニアのFM局から夜中に(向こうは昼)、放送したいと電話がきてびっくりしたものだった。

  先日、ひょっこり「陸前高田に行ってきた帰りです」と開運橋のジョニーに寄ってくれた佐藤靖さん(49)。「そういえばあの時、僕はそのことで深夜に照井さんから電話で起こされたっけ」と昔を懐かしんだ。その時、彼は入社10年目。浦和、大船渡、佐渡、会津若松、函館、熊谷、現在は塩釜、支局長として歩んできて、異動のたびにはがきをくれ、時折、店にも来てくれた。

  「変わり者がいた大船渡時代が一番好き。食べ物もおいしかった。親しくしてた陸前高田の写真屋『和光堂』菅野有恒店主(2011・3・11の津波で亡くなった)から、毎年届いていた家族写真の年賀状を息子さんに渡そうと思って来た」とのことだった。

  彼、佐藤靖さんの大船渡への転勤が発表されたのは、今NHKTVの朝ドラ“あまちゃん”に登場する三陸鉄道の車両が風で吹き飛ばされた日。彼が当時ジョニーに飲みに来るのは、「大船渡線上り最終列車、陸前高田駅19時30分着。店に向う駅前通りの道の上に寝転んでみたことがあったほど、車さえ通らない陸前高田だったな」と彼。
(カフェジャズ開運橋ジョニー店主)


本ページ掲載内容の無断転載を禁じます
ホームページに関するお問い合わせ、取材に関する情報は
E-Mail:hensyuu@morioka-times.com
盛岡タイムス宛てにお願いします