盛岡タイムス Web News 2013年  9月  16日 (月)

       

■  復旧に厳しい査定 豪雨被害の補助 自己負担に農家悲鳴


     
   市農政課職員(左)と個別相談する被災農家(13日夜、乙部農業構造改善センター)  
   市農政課職員(左)と個別相談する被災農家(13日夜、乙部農業構造改善センター)
 

 盛岡市は、8月の記録的豪雨に伴う被災農家対象の説明会をスタートさせた。13日夜の乙部地区を皮切りに支援制度説明、個別相談をセットで開催。支援は規模別に国庫補助、市単独補助、自力復旧に区分されるが、市によると、国庫補助対象の被害でも査定で箇所が絞られ、補助額は60万円程度になると見込まれる。自己負担を考慮して規模縮小や離農を考えたり、河川土木や家屋被害との複合被災で相当の持ち出しを懸念したりする声もある。

  市の農業被害は未公表だが、現時点で約6億8千万円と推計される。20日に被害対策関係の補正予算が市議会に追加提案の予定。

  市農政課によると、農地・農業施設の国庫補助は被害額40万円以上、市単独補助は5万円以上〜40万円未満、5万円未満は自力復旧に区分。国庫は市が事業主体となるのに対し、市単独は農業者(農家組合など受益者・団体)で補助率が農地63%、農業施設81%と定率。

  国庫は農地(田畑)が過去5年間の平均から最大で補助率92%、水路や農道など農業用施設が96%と見込まれる。工事は機能回復の原形復旧で、田んぼののり面が崩れても、水があふれなければ補助対象外になる限定的なもの。

  国による査定は申請しても対象から除外される箇所があり、厳しい絞り込みがあるという。このため対象外になった分は自己負担を強いられる。2002年の大雨・洪水で被災し、補助を受けた農家は「補助率はあてにならない」と「まゆつば」を指摘する。

  個別相談では被害箇所や内容を聴取し、国庫か市単独か自力復旧かの意思を確認。市単独の場合は見積もりや発注方法、複数で申請する場合には工事費内訳や個人の負担割合などを事前にすりあわせることなど注意点も書面で説明した。市が確認済みの箇所かを確かめ、被害の重複がないよう被害箇所の情報整理も並行させた。

  ほかに全体説明では6日に国から緊急で示された農業機械、農業用ハウスなどの取得、修繕の経費の10分の3を上限に補助する事業も紹介された。

  佐々木和則農政課長は「補助には一定の要件が必要であることなどを丁寧に説明し、個々の農家に対応する。その上で補助を使うか判断してもらえるよう、理解してもらう」と話していた。

  手代森で畑ののり面が大きく崩れた農家女性は「土砂が自宅やその下の通学道にも流出した。国庫補助の対象になると聞いてはいたが、査定が厳しいとのこと。どこまで対象になるのか。2次被害も懸念され、放置することもできず自己負担となれば、どのくらいの額になるか想像もつかない」と不安を隠さなかった。

  農家対象の説明会は17日に上鹿妻、18日に猪去、19日に湯沢・羽場の各地区で開かれる。時間はいずれも午後6時半から。飯岡地域では25〜27日に3会場で午前9時から午後4時まで個別相談も行われる予定。


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