盛岡タイムス Web News 2013年  9月  17日 (火)

       

■  〈イタリアンチロルの昼下がり〉183 及川彩子 幻のイタリアン・ビール


     
   
     

 夏の暑さを吹き飛ばしてくれる飲み物と言えば、キリッと冷やしたビール。ワイン王国イタリアでも、この夏はビールの消費量がグンと増えたようです。

  にぎやかなビアホールや、大型ジョッキで何杯も、という光景はありませんが、ピザ店に行くと、「ピザにはビール!」とばかりにグラスを傾けていました〔写真〕。  

  ヨーロッパのビールと言えば、ドイツ産や、オランダ産が主流。そんな中、世界最高の幻のビールが、イタリアに登場したという話を聞きました。

  「イタリア人でも、なかなか飲めない」といううわさのビールは、北イタリア・トリノ近くのビエッラという小さな町で造られる「メナブレア」という銘柄。

  毎年アメリカで開催される世界ビールのコンクールで、ここ数年、メナブレアが連続して最高賞に選ばれたというのです。風味・喉越し・泡立ちなどを審査し、評価するこのコンクールで、メナブレア社が栄光を勝ち取ったのは十数年前。

  創業者は、パオロ・テディさんという一職人。ドイツのミュンヘンで修業の後、地元の地下1500bからくみ上げたアルプスの天然水を使用して、酵母本来のフルーティーな持ち味を引き出し、ハーブの後味が残る、独自の味を開発したと言われています。

  メナブレアが注目されるのは、通だけが知る知名度の低さ?パオロさん自ら、工場の隅々、工員の仕事全てを知り尽くすゆえに、生産量が限定されるとのこと。

  「イタリアの高級車フェラーリを大量生産したら、利益は上がるけど、フェラーリではなくなってしまう。高根の花だから価値がある」とパオロさん。

  イタリアでも、産地の直売店か特別な酒店でしか手に入らない幻のビール。皮肉なことに、日本の通販では手に入るとか。昨今の流通事情には驚くばかりです。


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