盛岡タイムス Web News 2013年  9月  20日 (金)

       

■  商業地20年連続の下落 住宅地は13年 沿岸中心に31地点上昇 13年度県内地価調査


 県は19日、2013年度の県内地価調査結果を公表した。県内の1平方b当たりの平均価格は、住宅地2万4500円(前年比2・2%減)、商業地4万6700円(同4・2%減)。住宅地は13年連続の下落、商業地も20年連続の下落となった。ただ、沿岸部は浸水区域以外への移転需要が高いことや震災後に大きく下落した地価が回復したことで、31地点が上昇に転じた。価格の変動率では9〜30%台の高い上昇率を示した県内沿岸の住宅地7地点が、全国の変動率上位10位内を占めた。

  地価調査は県が7月1日時点で、県内33市町村の396地点で実施。不動産鑑定士の評価に基づき、基準地の標準価格を判定している。

  住宅地は県内274地点を調査。28地点が上昇し、このうち26地点が沿岸部だった。浸水区域外への移転需要の増加で上昇や横ばいの地点が増加。低金利、住宅ローン減税などの施策による下支えもあり全体的に下落幅が縮小した。

  住宅地では「大槌町大ケ口1の12の35」が前年比30・5%増と全国1位の上昇率。ただ、県の短期地価動向調査結果によると、復興に従事する事業者の宿舎確保や不動産業者の仕入れといった外部需要が収まり、1月をピークに下落傾向にある。

  一方、下落率が最も大きかったのは「盛岡市下米内字一本松66」で前年比8・7%減。市街化調整区域で建設の条件が厳しいことや、盛南開発が進み盛岡北東部の人気が低調なことなどが要因とみられる。逆に中古住宅などの「値ごろ感」は増して需要があるため、下げ止まる傾向にある。

  価格水準で見ると、1位は前年と同じ「盛岡市盛岡駅西通2の15の27」の8万2100円で前年比2・6%減。2位は「同市住吉町8の34」の7万8800円で同0・9%減。県内の上位10地点は全て盛岡市内で、下落率はいずれも前年より縮小した。

  商業地は74地点を調査。沿岸部で一部上昇地点が見られるものの、全体としては空き店舗の増加や、郊外型商業施設への顧客流出に伴う既存商店街の空洞化などで、20年連続の下落となった。前年度から継続調査した70地点の平均変動率は4・2%減だが、下げ幅は縮小している。

  上昇したのは沿岸部の5地点。このうち震災前から継続して調査している3地点は、震災前価格を下回っており、震災前価格に戻る途上とみられる。最も上昇率が大きかったのは「大船渡市盛町字内ノ目1の13、出羽商店」で前年比8・4%増だった。一方、 下落率が最も大きかったのは、前年度に続き「花巻市大通り1の14の31、住友生命花巻支部」で、11・2%減となった。

  価格水準で見ると、1位は「盛岡市盛岡駅前通8の17、小岩井・明治安田ビル」で23万7千円、前年比4・4%減。2位は「同市菜園2の7の30、スガトウビル」21万5千円、同4・4%減。上位10位は前年度と変わらず、下落率はいずれも前年度より縮小した。

  県地価調査岩手分科会代表幹事の横田浩不動産鑑定士は沿岸部の地価について「バブル期の地価上昇とは異なり、震災津波で大きく下落したものが回復してきている。自宅再建や公共事業の需要もあり、しばらくは土地取引が活発な状況が続くとみられるが、地価の上昇は落ち着きつつある」と分析する。

  盛岡地区に関しては「盛南開発が進み、既存の住宅地や商業地は下落傾向。ただ、値ごろ感からの需要増で下落幅は縮小している。景況の影響を受けやすく、はっきり見通せない部分もある」と話す。


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