盛岡タイムス Web News 2013年  9月  29日 (日)

       

■ 年輪重ねる震災の記憶 県老人ク連 49人の寄稿で証言集

     
  震災津波を体験した高齢者の「心の叫び」を被災地支援への感謝とともに伝えたいと話す佐藤博蔵さん(左)と金野成雄さん  
   震災津波を体験した高齢者の「心の叫び」を被災地支援への感謝とともに伝えたいと話す佐藤博蔵さん(左)と金野成雄さん  

 第42回全国老人クラブ大会(全国老人クラブ連合会、県老人クラブ連合会の主催)は10月1日と2日、盛岡市の県民会館などで開かれる。東日本大震災の経験も教訓に、パネル討論や地域交流部会での協議を通し、高齢者の視点から地域の復興や活性化を提言する。県老人クラブ連合会(齊藤文三会長)は大会開催を記念し、震災津波を体験した県内の高齢者49人の寄稿をまとめた証言集「未来へ語り継ぐ証言 東日本大震災・大津波」(A5判、166n、非売品)も発刊。全国から集まる参加者へ記念品として贈る。

  同証言集は、被災地への支援に対する感謝と震災の教訓を後世に伝えていきたいと昨秋から編集作業を開始。県老連メンバーで博光出版(盛岡市みたけ)代表の佐藤博蔵さん(75)さんらが中心となってまとめ、2千部制作した。

  各地域の老人クラブ会員に寄稿を依頼。津波被害が大きかった沿岸地域の14人の寄稿・証言は、佐藤さんが再三、足を運んで本人に会い、話を聞く中で得られた。

  目の前で自宅が津波にのまれた人、遺体安置所で冷たくなった妹に浴衣を着せた人、大津波の最中、沖に船を出して新造船を守った友人の男泣きを初めて見たとつづる人もいる。身内を亡くした人は、いまだ心の整理がつかず、記録を書き留める気持ちになれないという人も少なくなかったという。

  それでも「話さなければ、後には何も残らない。何度も会ううちに少しずつ口を開いてくれた人もいた」と佐藤さん。思いを打ち明けたことが、前へ進む一歩になればと願う。

  内陸に住む会員も、親戚や知人の安否を心配して沿岸被災地に駆け付けたり、支援物資を運び続けたり。人と人とのつながりや地縁の大切さを改めて実感した。

  県老連事務局長の金野成雄さん(75)は「心のこもった1冊になったと思う。高齢者の心の叫びを、ぜひ、全国の人に伝えたい」と話す。

  今回の大会には全国から約1700人が参加予定。震災津波への支援に対する感謝の気持ちを示すとともに、大災害の経験と教訓を発信する。

  1日は午後1時半から盛岡市内5会場で活動交流部会を開催。このうち、「東日本大震災と老人クラブ」をテーマにした交流部会では、津波の語り部として知られる、宮古市田老の田畑ヨシさん(88)による語りや、被災した岩手、宮城、福島の老連代表者によるパネル討論などが予定されている。2日は県民会館で記念式典が開催される。

  大会は一般参加も可能。問い合わせは県老人クラブ連合会(ふれあいランド岩手内)電話019−637−6544へ。証言集の問い合わせは博光出版、電話019−641−0671へ


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