盛岡タイムス Web News 2013年  10月  8日 (火)

       

■ 〈詩人のポスト〉 「風の姿」「静かな朝」「雲」北里志郎

                  北里 志郎

  風の姿                  

風はいつもいつもわたしを呼ぶ
それでも
風は見えない
それでも
風はわたしを拒絶しないで
わたしを呼ぶ
わたしは風に身を任せて
風の中に立っている
しかし
風は穏やかに 雲の切れ目を
流れて行ったようだ
風は いつでもわたしを晴れやかにするのだ

  静かな朝

一筋の煙がたち
きょうも秋晴れの朝だ

おれの茶毘(だび)のときも
こうであればいい

一筋の煙は
おれの位置から遠いところにたっているが
風がないのか
ただ高くたっていく

おれは黙って見つめるだけだ

  雲

あの一筋の飛行機雲がなびいていくのに
どうして青いカンバスは
それだけを描くのだろう

遠ざかる雲は
しだいに薄れていく
私はじっと
遠くに描かれていく軌跡を追っていくだけだ




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