盛岡タイムス Web News 2013年  10月  16日 (水)

       

■  〈イタリアンチロルの昼下がり〉185 及川彩子 メイド・イン・マルガ


     
   
     

 私たちの住む、ここアルプス高原の町アジアゴの名物といったら、フレッシュチーズ。高原のあちこちに点在する「マルガ」と呼ばれる牧場が、それぞれに特徴ある味わいを醸し出しているのです。

  先日、高原のマルガが一同に会してアジアゴの街中にテントを張り、試食・特売・料理紹介などをする大イベントが行われました。その名も「メイド・イン・マルガ」。

  街は、観光客ばかりでなく、イタリア各地から買い付けに来る業者なども混じり大にぎわい。マルガ・マップを頼りに、さまざまなテントをのぞくと、そんな食べ方もあるの…と、標高差などで微妙に違う風味・新商品などに、いろんな発見がありました。

  あちこちからのいい匂いに誘われ、街を巡りながら、目を引かれたのは、目抜き通りの各店が、食品店に限らず、ブティックの一部を開放し、チーズコーナーを設けるといった演出でした。街を挙げてのメイド・イン・アジアゴです。

  知り合いの眼鏡店〔写真〕に入ると、おしゃれなメガネグッズに合わせてか並ぶチーズも、ワインに合う大人の味が主流。

  店長自ら振舞うお勧めは、クミンの実入りのチーズ。エジプト原産で、最も歴史の古いスパイスのひとつと言われるセリ科クミンは、主に、エスニック料理やカレー料理に使われますが、独特の苦味を、まろやかなアジアゴチーズに取り入れて大好評。

  もう一つは、アジアゴチーズの代名詞とも言える「ダッレーヴォ」の熟成チーズ。アミノ酸の結晶が出るほどに凝縮されたうま味が特徴で、じっくりかみしめるほどの味わいは、やはり一番人気です。その切り口から透けて見える穴は「チーズの眼」。ツブツブの穴の中にじわりとたまる水分は「チーズの涙」と呼ばれ、眼鏡店にふさわしいチーズなのでした。

  連日大繁盛の陰に、粋なアイデアが秘められていました。


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